総合主要企業の賃上げ、15年ぶり2%台 本社1次集計
日本経済新聞社が27日まとめた2014年の賃金動向調査(1次集計、4月14日現在)で、主要企業の賃上げ率(賃金改善と定期昇給を反映した月例給与の上昇率)は2.12%と、15年ぶりに2%台を記録した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)実施企業は半数近くに上った。業績の回復などを背景に賃上げが広がり、消費増税後の個人消費の下支えにつながる可能性がある。
賃上げで有効回答した227社の基準内賃金は29万9630円(平均年齢37.8歳)で平均賃上げ額は6375円。バブル崩壊後も比較的高水準の引き上げが続いていた1999年以来、賃上げ額でも15年ぶりに6千円台となった。年間一時金(有効回答108社)も13年比7.69%増えた。
14年は大手企業の多くが6年ぶりにベアに踏み切った。実施企業は回答企業の47.1%で、13年の1次集計時(9.0%)を大きく上回った。
業種別にみると、製造業の平均賃上げ率は2.26%(13年は1.84%)、非製造業は1.80%(同1.36%)だった。
デフレ脱却に向けた安倍政権の賃上げ要請に応え、主要産業が全体をけん引する構図になった。自動車・部品(2.58%)や電機(2.35%)、機械(2.59%)などの高い伸び率が目立った。
トヨタ自動車はベアに相当する賃金改善要求4000円に対して2700円を回答。前回、賃金改善を実施した08年の1000円を大幅に上回った。日産自動車は賃金改善で月3500円、年間一時金で5.6カ月分とした労働組合の要求に満額回答した。
電機は日立製作所や三菱電機など大手が2000円の賃金改善で足並みをそろえ、直近で最高だった98年を上回る水準となった。
2.69%の高い賃上げ率となった東芝は「デフレ脱却と経済成長の起爆剤にしたい政府の方針に協力する」とした。機械ではクボタの賃上げ率が3.11%だった。
非製造業は百貨店・スーパー(2.50%)が13年に比べ約1ポイント上昇するなど、人手不足を背景に従業員の待遇改善に取り組む企業が目立った。
賃上げ率が3.98%と最も高かった食品スーパー大手のライフコーポレーションは16年ぶりにベアを実施。「消費増税や物価高などに合わせて従業員の生活水準を維持する」としている。ファミリーマートは5000円のベアを決め、定期昇給を含め月給を約1万円(3.04%)上げる。14年度に過去最高の1600店の出店を計画、従業員の士気を高める。
今回の賃上げは消費増税後の個人消費を占う上でも注目された。第一生命経済研究所の星野卓也エコノミストは「ベアはボーナス増にもつながり、今夏の消費マインドは上向きそう」と期待する。一方、「2%の賃上げは明るい材料だが力強さが足りない。来年以降も継続するかが重要」(野村総合研究所の日戸浩之上席コンサルタント)との指摘もある。
