東京五輪、人手確保が難題 新たに81万人 民間推計

総合東京五輪、人手確保が難題 新たに81万人 民間推計

リクルートホールディングス傘下のリクルートワークス研究所は17日、2020年の東京オリンピック開催で、13~20年までに81万5千人の新規雇用が生まれるとの試算を発表した。建設業とサービス業が6割を占める。足元では景気回復による人手不足が顕在化しつつあるが、一段と深刻化する。同研究所は「高齢者の活用など人材確保の新しい仕組みが必要だ」としている。

改修の後、2020年の東京五輪会場となる国立競技場(右)や周辺の施設
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改修の後、2020年の東京五輪会場となる国立競技場(右)や周辺の施設

最も人材需要が高まるのが建設業。競技施設や道路の整備のため、20年までの8年間で約33万人の人手が必要になる。警備や通訳などのサービス業、飲食・宿泊業などでも新たな雇用が生まれ、この結果、失業率は1.2%改善するという。

ただいずれの業種もすでに人手不足に陥っている。景気回復を背景に建設需要が高まり、コンクリートを流す枠を作る型枠工や鉄の棒を組み立てる鉄筋工などが不足。現場の労働者の不足と資材価格の高騰で、建設コストは東日本大震災前から2~3割上がっている。そのあおりで、イオンやセブン&アイ・ホールディングス傘下のスーパー、ヨークベニマルなどは出店を抑制する。

外食業界では人手不足が原因で、大量出店モデルの転換を迫られている。外食チェーンのゼンショーホールディングスは運営する牛丼店「すき家」で、一時は100店舗以上が休業した。

人手不足の改善に向け、政府や企業は対策に乗り出している。政府は外国人労働者の受け入れを2年延長して、最長で5年間にする時限措置を決定。建設業界では、日本建設業連合会が3月、現場で働く女性労働者を18年度に現在の2倍の18万人に引き上げる計画を打ち出した。ただ、こうした施策や計画で人手不足が解消するかどうかは不透明だ。

オリンピック関連の雇用は、アルバイトなど非正規従業員が大半。継続的な雇用にはつながらない可能性が高い。人手を確保するには高齢者や主婦、現在は働いていない層の就業がカギを握る。リクルートワークス研究所はアルバイトのシフトの組み方など「時間的な制限を受けやすい層が働きやすい仕組みをつくる必要がある」と指摘する。