素敵な人のまねが第一歩…気遣いのコツ

総合素敵な人のまねが第一歩…気遣いのコツ

気を配ったつもりでも相手に伝わらない。何もしないと「気が利かない人」と思われてしまう。

 何かと難しい「気遣い」のコツを、長年顧客と向き合ってきた百貨店のコンシェルジュ(よろず相談係)が、エピソードを交えて分かりやすく教える。

 著者が勤務する日本橋高島屋(東京都中央区)では、案内デスクへの問い合わせが1日150件以上。売り場案内のほか、「贈答品は何がいいか」という相談や、店舗周辺のお薦めの飲食店まで聞かれる。こうして年間約3万6000人の接客をする著者だが、基本は「やっぱり笑顔とアイコンタクト」と話す。目が合えば信頼感が生まれ、意思の疎通も円滑になるそうだ。

 そんな経験から生まれた本書は、単なる接客業向けの手引書ではない。例えば、「誰かの失敗を教訓に、次の失敗を防ぐ」などと、職場内のコミュニケーションと協力の大切さも説く。すべての「働く人」への貴重なアドバイス集といえるだろう。

 一貫しているのは、「気遣いは、もって生まれた性格や才能ではなく、心がけと工夫で培われる」という著者の信念だ。気遣いを身に付ける第一歩は、「気が利いていてステキだな」と思える人の行動を、まねしてみることだという。

 本の帯には、「人から信頼される。そして、『長く働いてほしい』と思われる人になる」とある。定年退職から7年。今も嘱託として、店の正面玄関で日々買い物客を出迎える著者の「実践の書」でもある。