仕事相手を不快な気持ちにさせる5つの相づち

総合仕事相手を不快な気持ちにさせる5つの相づち

打ち合わせや商談の中では、必ず、相づちは出るものだ。1時間ほど話し合いが行なわれたとして、その間、まったく相づちが出ないのは、逆にその話し合いに問題があるのかもしれない。何も言わず、じっと聞いているだけだと、相手に不気味な印象を与えるだろうし、相づちが出ないほど緊迫しているのかもしれない。それは、どう見ても“健全な”状況ではないはずだ。


普通なら、タイミングを見計らって、「ええ」「そうですね」「たしかに」「なるほど」などという言葉を口にするだろう。だが、状況によっては、相手に不快な印象を与える相づちもある。キャリアを重ねていくうちに、気づかず発している方もいるのではないだろうか。今回は、相手に失礼な“相づち”について紹介したい。

中には、つい最近、私が一緒に仕事をした相手の事例も含まれている。その相手とは、中堅企業に勤める中間管理職のAさんだ。「最近の若者は……」と言っている40代、50代に限って、こういう言動をする人間が多いということを覚えておいたほうがよさそうだ。

1.「はぁ」

「はぁ」を複数回、繰り返されると、さすがに話をしている取引先も嫌気がさしてくるはずだ。その言葉を発した人間が自分の上司や同僚だとしたら、近くにいて恥ずかしくなってくるに違いない。「はぁ」が一度ぐらいなら、タイミングさえよければさほど問題にはならないのだろうが、何度も繰り返すことは好ましくない。真剣に話を聞いていたとしても、「無気力」「頼りない」「真剣でない」「馬鹿にされている」といった印象を与えてしまうからだ。もし、相手の話に不満や疑問をもったとしても、わざわざ言動にして表現する必要はない。社会人であれば、もう少し頭を使って対処するべきではないだろうか。

2.「ふ~ん」

これも、相手を馬鹿にしていると受け取られかねない。少なくとも、そう思われることが多い言葉だ。Aさんと一緒に仕事相手との打ち合わせに出かけた時、Aさんが発した「ふ~ん」に対し、相手の方が明らかに不愉快な表情を示したのをはっきり覚えている。入社して間もない20代前半の若手なら、もしかしたら許されることがあるのかもしれないが、Aさんは50代前半の女性だった。議事録として録音したICレーダーを再生した時、何度も出てきたAさんの「ふ~ん、ふ~ん」という声を聞いて、不気味だと思った。

しかも「ふ~ん」が「ふ~~~~ん」と聞こえるぐらい、長いのだ。時間にして5秒ぐらい。挙げ句に、タイミングが悪く、相手が真剣に話し込んでいる時に限って、連発していたのだ。あらためて聞いていると、よく相手がキレなかったなと、ぞっとした。これは私が実際に体験した話だ。相づちは、相手やその場の空気を見極めて打つべき言葉だが、相手が話している最中に、しかも敬意のない言葉を連発するようなら、いつ破談になってもおかしくはない。

3.「はい、はい、はい」

相手が何かを話して共感した時に口にする相づち、「はい」。相手が話しやすいような雰囲気を作ることは大切だ。それに、同意、共感した時に、その意志表示として、はっきり相づちを打つことは間違いではない。だが、何回も連続して口にする必要などまったくない。1回で十分、多くても2回までだろう。もちろん、相手に十分に敬意を表した上でのことだ。思いつきやノリで、「はい、はい、はい」と口にすると、相手を小馬鹿にしたような印象を与えかねない。「そんなこと、わかってるよ」という本心が、簡単に相手に伝わってしまうだろう。この相づちは、一見、若い人に多いような印象があるが、役員や部長クラスの幹部からも出てくる表現である。心当たりのある方は、すぐにあらためたほうがいい。

4.「ですよね~」

これは、取引先であっても、双方がある程度、理解し合うような関係が築けているのなら、許される表現かもしれない。ところが相手が初対面だとしたら、どうだろう。しかも、相手は取引先の重役だとしたら。初対面でありながら目上の人に「ですよね~」というのは、さすがに社会人の礼儀として問題である。通常、「ですよね」という言葉には、「私もそのようなことを考えています」という意味がある。だが、これは相手と社会的な地位や経験、実績、関係などが近い人であれば、使っても許される可能性が高いが、関係も浅く、ポジション的にも距離がある場合は、使うべきではない。もちろん、会社の規模に関わらずだ。せめて「はい、おっしゃるとおりです」「はい、私もそう思います」と言うべきだ。

5.「う~ん」

「う~ん」は、「私は素直に同意ができません」という意志を意味することが多い。これは、親しい間柄にある人との日常会話で使うものであり、ビジネスシーンで、しかも、初対面の人との打ち合わせでは使うべきではない。そもそも、相づちは、話の流れをスムーズにするために用いるもの。双方の話し合いのリズムを壊すために使う相づちは、言語道断だ。

会社員の場合、取引先との打ち合わせや商談は、会社を代表して、参加するものだ。そのことを十分、意識した上で、相づちをするべきだ。あなたは、会社の顔なのだから。それを忘れて相手に不快な思いをさせてしまうと、会社に与えるダメージのほうが大きくなる。ほとんどの人が社会人になってからそのことを学び、心得て行動しているはずだが、経験を積んで仕事にも会社にも慣れてくると、気づかないうちに相手を怒らせかねない相づちをしかねない。普段の何気ない会話も、一度初心に戻って検証してみてはどうだろう。以前にも本連載で紹介したが、こういう時、ICレコーダーが役に立つ。自分が打ち合わせで、どんな言葉遣い、相づち、話し方、聞き方をしているのか、見つめ直してみるのもいいかもしれない。