社長をやって分かった!「イノベーションを起こせる人には共通点がある」

総合社長をやって分かった!「イノベーションを起こせる人には共通点がある」

イノベーション。企業にとって、この言葉ほど切望されているキーワードはないのではないでしょうか。イノベーションを起こせないと、企業は存続できないし、企業はイノベーションを起こせる人材を常に必死に探しています。

それゆえイノベーションについて書かれたビジネス書も世の中に多く出ているわけですが、こうすればどの企業においてもイノベーションが起こせるという再現可能な法則がなかなかありません。イノベーションは難しい、だからこそ切望されるのだと思います。先日読んだ本の中で、イノベーションを起こせる人材の定義が書かれておりました。

その定義とは、「ものの見方を根本的に変えてみることができる人」だと。この話一度は誰もがどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、ある靴メーカーの新規開拓者が、アフリカに行って1人は「誰も靴をはいてません。こりゃ売れませんね」と言ったのに対して、もう1人は「誰も靴をはいてません。これはすごい市場ですよ!」と言ったという話。同じ事象に対してもまったく違った捉え方があるという話です。そして、イノベーションを起こせる人材とは、その両方の視点を持てる人ということになるのではないでしょうか。

そんなことをぼんやり考えていた時に、もしかしたら「面白法人」というキャッチコピーは、とてつもない可能性が秘められた言葉だったのではないかと思えてきました。

1つの事象が起きた時に多様な視点で解釈し、勝手に自分で面白がれること

面白法人というコピーは、創業当初から存在しています。とにかく働く社員が面白がって働く組織にしようという風に思ったのがその出発点ですが、そんな風に思いながらカヤックを経営してきて気づいたのが、面白がれる人というのは共通の才能があるということです。それは1つの事象が起きた時にいろいろな視点でそれを解釈し、勝手に自分で面白がれるということです。

なるほど、これってまさにイノベーションができる人材ということではないですか。

すなわち、面白法人というコピーは、イノベーションを起こす人材が集まる企業になることを自らに強いる言葉だったのです。

考えてみれば、カヤックは0から1を生み出すのと、1を100に伸ばすのとどちらが得意かというと前者の方が得意な組織でした。

過去にも生み出したものを何度も売却しています。

幾つか事例を示してみます。

幾つかの事例を紹介

  • T-select
    日本では初のTシャツオーディションサイト。デザイナーにTシャツデザインを投稿させ、毎週オーディションをします。10人欲しい人が集まると生産化が決定して販売します。人数が増えると金額が下がっていくというギャザリングの仕組みがあります。
    2001年立ち上げ当時は斬新でした。そして2005年、ライブドアに売却しました。
  • 総務の森
    総務、人事、経理、企業法務など、総務にまつわるあらゆる情報を交換・取得できる日本最大の総務コミュニティサイト。
    こちらもオフィス事務用品通販の大手カウネットさんに売却して今でも元気に運用しています。

あるいは、

  • HOUSECO
    日本最大級の建築家コミュニティ。オンライン上で自分の家の建築コンペができるというサービス。これも昨年、SuMiKaという名前に変えて、タマホームさんとカヤックでつくった株式会社SuMiKaに売却しました。その後SuMiKaは大きく伸びています。

そして今年の春に売ったもの。

  • ART-Meter
    絵画の測り売りショップ。こちらも東急ハンズさんに譲渡し、オンラインで集めた絵が、東急ハンズのリアルショップ店頭でも並ぶという進化を遂げています。

他にも大小上げれば様々なサービスを売却していますが、つい先月譲渡したほやほやのサービスが、

  • koebu(こえ部)
    声優好きならほぼ認知されている声の投稿コミュニティです。社内で日本三大オタク媒体の1つと呼ばれていたのですが、7年の運営を経て売却しました。きっとこれから嫁ぎ先でより進化してくれるものと思います。

このように多くのサービスを生み出しては途中まで育てて売却してきたのですが、せっかく自分で大きくしてきたものを売ることに対して、寂しさと悔しさがないといえばウソになります。また、ビジネスとしてはそういった事業の種を見つけるのが一番難しいのだから、売却するなんてもったいない、そう言われることもしばしばです。

売却先も重要

ただ、もともと僕らは0から1を生み出すことを宿命づけられた面白法人という言葉を背負うカヤックですから、売却した嫁ぎ先でより大きく育ってくれるのであれば、ユーザーにとってもその方がハッピーですし、それでもいいのではないかなと。だからこそサービスを売却する際は、売却先も重要です。いくら諸条件が良くても、引き継いだ先がサービスをうまく伸ばしてくれそうにない場合には売却しない。そんな思いで続けてきました。

そんなわけで、今後も面白法人は新しいものを生み出し続けなければなりません。特にここ数年は、事業を絞る方向で頑張っていましたので、来年は新規事業を加速させる方法について作戦を練っているところです。

また、カヤックでは最先端の技術を使ったクリエイティブと、コミュニティづくりに対するノウハウがあります。こんなのを一緒に作りたいという持ち込みも歓迎しております。イノベーションは中だけではなく、外部とのコラボからも積極的に取り入れて行っていきたいと思います。

お待ちしております。