最新「障害者雇用率ランキング」トップ100

総合最新「障害者雇用率ランキング」トップ100

エフピコはベテラン社員の障害者支援体制が充実

障害者を多く活用する企業はどこか。『CSR企業総覧』2014年版から、毎年恒例の障害者雇用率ランキングをご紹介する。対象は同誌掲載の1210社のうち、直近の2012年度で障害者を5人以上雇用している773社である。

1位は食品トレーや弁当・総菜容器最大手のエフピコとなった。障害者雇用率はダントツの16.10%で障害者雇用実人数も369人と多い。2010年度16.10%(同364人)、11年度16.32%(370人)と他社を寄せつけない圧倒的な水準を維持している。

障害者は市場から回収した使用済み容器の選別工場、折箱容器の生産工場を中心に、全国21カ所の事業所で雇用。リサイクル工程などで活躍する。職場には障害者支援のベテラン社員が配置されている。事故を防ぐための安全対策を大幅に増やすといったきめ細やかなサポート体制も整え、障害者が働きやすい環境を提供している。

同社はリサイクルの先進企業としても有名だ。使用済みトレーの店頭回収やPETボトルのリサイクルを、NPO(民間の非営利組織)と連携しつつ実施している。使用済みトレーを原料に戻して再び新しいトレーを作り出す、「トレーtoトレー」といった高い技術で低コスト化を実現。これが業績にも寄与しており、2011年度から4年連続増収と、好業績を持続している。リサイクルと障害者活用を両立して成功させている、障害者雇用のお手本ともいうべき存在だ。

2位は自動車向けなどの超硬工具メーカー上位であるダイジェット工業の6.75%(21人)。2010年度8.36%(23人)、11年度7.11%(21人)と高い水準を続けている。

3位は前年まで2年連続1位だったヒューリックの5.30%(6人)。ダイレクトメール発送等の業務を行う「ヒューリック杉並オフィス」などで障害者雇用に取り組んでいる。2010年度5.71%(6人)、11年度5.66%(6人)と人数は3年間同じだが、前回は調査に回答しなかった上位2社が今回登場し、ヒューリックの順位を3位まで下げた。

4位は価格比較サイト「価格.com」を運営するカカクコムで、5.08%(24人)。2010年度1.22%(4人)、11年度2.44%(10人)と人数、比率とも着実に向上している。

以下、5位サガミチェーン4.55%(23人)、6位リヒトラブ4.33%(11人)、7位ノーリツ鋼機3.89%(17人)、8位TOHOシネマズ3.87%(74人)、9位ハリマ化成グループ3.70%(15人)、10位ツムラ3.65%(103人)と続く。

障害者雇用人数では東芝の1788人が圧倒

雇用率から雇用人数に着目してみよう。ランキング100位内で最も多く障害者を雇用している会社は、85位の東芝で、その数1788人(2.24%)。以下、48位西日本鉄道704人(2.43%)、68位ブリヂストン546人(2.31%) 、53位ホンダ489人(2.38%)、1位エフピコ369人(16.10%)といった企業が並ぶ。会社規模を鑑みると、エフピコの存在感はここでも際立っている。

大きく人数を増やしているのが26位のワタミだ。2011年度の185人(1.94%)から、12年度は245人(2.73 %)と1年間で60人も増加している(対象はグループ合計)。

同社は複数の特別支援学校と提携して研修生を受け入れている。外食店舗での清掃、仕込み業務、クリーニング業務、事務補助などで障害者を積極的に活用する。他に19位の良品計画も、2010年度70人(2.09%)、11年度79人(2.07 %)、12年度130人(2.89%)と2年間で60人増加した。

陸運、医薬品が高く、不動産は低い

続いて業種別の集計を見ていこう。こちらは12年度の障害者雇用率を開示している967社が対象。全体の平均は1.74%だった。

業種別で雇用率の平均値が高いのは、陸運業の2.09%(15社)、医薬品2.03%(23社)、化学1.97%(78社)、精密機器1.94%(15社)など。一方で低いのは、不動産業1.17%(23社)、証券、商品先物取引業1.25%(8社)、倉庫・運輸関連業1.32%(9社)、情報・通信業1.39%(66社)などだ。

さて、2013年4月から民間企業の障害者雇用の「法定雇用率」は、従来の1.8%から2.0%に引き上げられた。さらに2018年からは精神障害者の雇用も義務化される見込みだ。今後は各企業で障害者がより多く在籍することが予想される。彼らをこれまで以上に戦力化していく必要がある。

そもそも企業での障害者雇用推進は、国や自治体からの助成金やサポートも受けながら、社会全体で障害者の活躍の場を作ろうとするものだ。企業は障害者雇用を義務として捉えるばかりではいけない。本業のビジネスで、障害者を活用して利益を出す方法を考えることが求められている。

『CSR企業総覧』には障害者雇用に積極的な企業が数多く存在する。ただ、まだ補助業務中心の職場が多いのも事実だ。今後、各社が障害者活用を一歩ずつ進化させ、ランキングトップのエフピコのように、収益と雇用を両立する企業が続々と登場してくることを期待したい。

今回、ご紹介した障害者雇用率などの情報をまとめた『東洋経済CSRデータeBook2014 障害者雇用取り組み編』を電子書籍で発行している。障害者雇用率だけでなく、特例子会社の有無、各社の障害者雇用への取り組み情報を1149社掲載している(会社によって情報量の差はある)。ランキング結果とあわせて、日本の障害者雇用について考えるための資料としてご活用いただきたい。