人材欠乏にピリオドを打つ~欠かせぬピースは自ら探求

総合人材欠乏にピリオドを打つ~欠かせぬピースは自ら探求

人材欠乏の解消に向けて、ユーザー企業が動き始めた。
ソニー生命保険はシステム部門枠の新卒採用を開始、ミサワホームは現場を熟知するグループ会社のIT人材を配置転換させる。
若手、ビジネスアナリスト、グローバル人材の確保を目指す各社の戦略を追う。

若手を“死守”

2014年10月。ソニー生命保険のIT戦略本部に4人の新卒社員が配属される。ユーザー企業として珍しい“IT枠採用”での入社組だ。IT戦略本部に配属されることを前提に選考を受け、突破してきた。

ユーザー企業の場合、情報システム部門は新卒社員の配属先の一つに過ぎない。新人が全く配属されない年もある。安定的に若い人材が入らないことが、システム部門の年齢構成をいびつにする主要因になっている。

ソニー生命のシステム部門の平均年齢は35.2歳。極端に高いわけではないが、「放置していると、いずれ高齢化の波がやってくる」と、河村芳樹IT戦略本部副本部長兼IS企画部統括部長は危機感を募らせる。先手を打つ形で同社は2013年度入社の新卒からIT枠採用を実施した。1期生は現在、2年目社員として開発業務などに当たっている。

IT起点にコア事業を理解させる

同社がIT枠採用に踏み切った狙いを、人事部の西春謙一人材開発課統括課長は「情報システム部門の中で幅広い領域を経験しつつ、当社のコア事業にも理解が深い人材を計画的に育成していくため」と説明する。

同社は以前から、若手社員を対象に3年ごとに異動させるローテーション制を取り入れてきた。ただ、3年間では「ITに関して中途半端な経験しかできない可能性があった」(西春統括課長)。IT枠採用の人材であれば、ITに軸足を置きつつ、事業部門などで経験を積ませることができる。

IT枠採用には、システム部門が深く関与する。例えば企業説明会をシステム部門の主催で開く。実際の選考プロセスでも、最終面接以外は常にシステム部門の人間が参加する。

「採用活動に時間を取られることに、最初はネガティブな意識もあった。しかし自分たちで選考した人材だけに、“しっかりと育てたい”という意識が強くなるのも確かだ」と、河村副本部長は話す