国家公務員の兼業、政府が容認へ 公益活動に限定

総合国家公務員の兼業、政府が容認へ 公益活動に限定

政府は国家公務員の兼業を正式に認める調整に入った。兼業をほとんど認めてこなかった従来方針を改め、NPO法人や非政府組織(NGO)などの「公益的活動」を目的とした兼業に限り認める方針。政策・法律の知見を民間でも活用し、地域の活性化につなげる。公文書改ざんなど最近の不祥事では内輪の論理も目立つ。民間で経験を積んだ、視野の広い官僚を育てる狙いもある。

15日に未来投資戦略を閣議決定する。この中に兼業について「円滑な制度運用をはかるための環境整備を進める」との文言を盛り込む。

内閣人事局が今年度中にも兼業の範囲に関する指針をつくる。そのうえで各省が詳細を決める。例えば、出身省庁の政策遂行だけを目的としたような仕事や、所管する業界への利益誘導につながるような仕事は認めないといった内容が想定される。

国家公務員のうち、約28万人が兼業の主な担い手となる見通し(霞が関の官庁街)

国家公務員のうち、約28万人が兼業の主な担い手となる見通し(霞が関の官庁街)

国家公務員法に基づいた「営利企業の役員就任」や「自営業の経営」は引き続き禁止する。

政府が国家公務員の兼業容認に本腰を入れる背景には、民間の人手不足がある。特に人材難に悩むNPOは多く、過去3年で大手転職サイトへの求人掲載数は3倍以上に急増した。専門性の高い人材の引き合いも強い。

政府関係者は「兼業で民間の常識に広く接し、『霞が関』などの考え方にとらわれない人材育成が必要だ」という。外部の視点や経験を生かし、新しい発想の政策立案を期待する声もある。国家公務員をめぐっては公文書偽造やセクハラ問題など、モラルの低下を示すような例も目立つ。

民間企業ではすでに兼業や副業を認める動きが広がり始めている。地方公務員でも神戸市が2017年度に解禁。在職3年以上の職員は、勤務時間外の休日に「地域貢献」や「社会的課題の解決」といった内容に沿った公益活動に従事できるようになった。歴史的文化遺産の活用を手がけるNPOで働いたり、農家の資料作成を手伝ったりする例があるという。