丸紅「社内副業」義務付け 勤務時間の15%、新事業促す

総合丸紅「社内副業」義務付け 勤務時間の15%、新事業促す

丸紅は4月から全従業員を対象に勤務時間のうち15%で通常業務から離れ、新しい事業の考案など「社内副業」に取り組むよう義務付ける仕組みを始める。事業会社への出資や不安定な資源分野への投資といった現在のビジネスでは長期的に経営が厳しくなるとの危機感から、社員が部門を横断して動くよう促して新事業の創出につなげる。

丸紅の「社内副業」義務付けは国内勤務の社員約2700人が対象になる

丸紅の「社内副業」義務付けは国内勤務の社員約2700人が対象になる

新ビジネスを検討するために勤務時間の15%を活用することを義務として社員に通知する。国内で勤務する丸紅単体の社員約2700人を対象とし、通常の業務に影響が出ないタイミングを上司と相談して決める。

通常業務はこれまで通り進める。社内の稟議(りんぎ)書や会議、資料の大幅な削減で業務を効率化して時間を確保するとしている。社内副業による成果は人事考課に反映させる。

1日単位で取得する場合、就業時間の約7時間のうち60分程度をあてる。月単位での申請では15%分にあたる3日前後をまとめて取得できる。

導入にあたり、部門内でしか開示していなかった投資先や顧客の情報を社内ネット上で閲覧できるようにする。丸紅の持つ経営資源を社員が誰でも活用できる仕組みをつくり、社内副業による新事業創出を後押ししたい考えだ。

同様の取り組みはグーグルが既に導入している。勤務時間の20%を本業以外に使うことを義務付け、社員に常に新たな事業を立ち上げようという意識を植え付けている。国内では三井物産が担当業務以外に一定の時間を使える仕組みを一部で導入している。

商社は取引の支援や資源への投資を得意としてきた。人工知能(AI)や(あらゆるモノがネットにつながる)IoTといった新技術への対応を迫られ、従来と異なる枠組みでビジネスをどう広げるかが課題になっている。丸紅はスタートアップに出資するだけでなく、社内副業により新事業を共同で立ち上げるような取り組みを想定している。