総合憧れの会社が実は超ワンマン…転職時の「情報格差」を埋める方法
魅力的に映るオーナー経営者が
入社後は苛烈な上司に
転職サイトや企業のウェブサイトで情報を集め、実際に面接で社員や社長の話を聞き、「これはいい会社だ。ぜひここで働きたい」と思い転職を決断。しかし、実際に働き始めてみたら想像していた職場とは全然違う。無茶苦茶ハードな要求をされ、素晴らしいと思っていた社長は人間性を疑うような発言を連発する……。
せっかく転職が決まって喜んでいたのに、そうした事情から、わずか数ヵ月で早期退職してしまうケースがあります。
とくに、早期離職が起こりがちなのはオーナー企業です。なかにはベンチャー起業家として著名で魅力的に見えるオーナーでも問題があることもあります。「憧れの経営者、憧れの会社に入社できたのに早期離職」という不幸なケースもあるのです。
その原因の一つに、オーナー経営者の外面と内面(うちづら)の落差があります。
基本的に、オーナー経営者は一癖も二癖もあるものです。そうでなければ、一から事業を立ち上げて成功することはないでしょう。外部の人間に対しては、理想的なビジョンを熱く語っていても、自分の部下になれば話は別。成果を出すために自分も必死で頑張るし、部下にも自分と同じ頑張りを要求したりします。
事実、成功したオーナー経営者の下で長く働いた人が共通して指摘するのは「厳しさ」です。
いまでは業界大手として知られるあるオーナー経営者の側近として長年働いていたAさんは、「自分はオーナーが描くビジョンを実現するために、何ができるかを四六時中考える存在だった」と述懐していました。
Aさんは、苛烈な働き方で実績を残してきた結果、オーナー経営者の下を離れた今でも、「あの〇〇社長の下で10年も働いたんですか」と周囲から抜群の信用を得ています。Aさんのように過酷な環境下でも、経験できることを一生懸命に吸収し、前向きに自信やスキルアップにつなげていければよいのですが、誰にでもできるとは限りません。
「採用企業側が実態を隠すほうが悪い」と思われるかもしれませんが、これはある意味仕方のないこと。というのも、転職候補者は、企業にとって選考期間中はある意味「お客さん」なのです。それが転職して入社した途端、会社組織に組み入れられるわけです。意外と忘れがちなことですが、そこは気持ちを切り替えていく必要があります。
ミスマッチを防ぐには
ディープな社内情報が必須
転職では、事前に良いことも悪いこともある程度の予測はできても、実際には予測できないことのほうがはるかに多く起こります。その落差が大きいとミスマッチとなり、早期離職が起こりやすくなりますが、事前により深く知ることができていれば、入社すべきかどうか適切な判断ができ、入社後に落胆することも減り早期退職の防止になります。
転職者が自力でディープな情報収集を行うのには限界があります。ここで、頼りになるのが人材紹介会社、及びコンサルタントです。情報を継続的に収集し蓄積している優良な担当者であれば、会社の良いことも悪いことも深く知っているため、候補者の希望に合わせて「この会社にはこうした良い面と悪い面があります。よかったら受けてみますか?」と十分な情報を提供したうえでマッチングします。
悪い面が多い会社でも、候補者にとって良い面のメリットが大きく上回るのであれば、詳細な情報を提供したうえで応募を打診することもあります。
たとえば、ある超ワンマン会社では、社員が皆、社長のほうを向いて仕事をしているため、社内同士の足の引っ張り合いがひどく、重要な資料を隠されるようなことがよく起こっていました。一方で、社長に認められればすぐに子会社のトップを任されたり、年収が倍々ペースで増えていったりと、一般的な会社ではあり得ないスピードで出世できます。その分、仕事は非常にハードです。
普通の人にはなかなかお勧めできない会社かもしれませんが、人生で賭けに出たいタイミングにある人、一発逆転を狙っている人にとっては魅力的な案件です。実際、詳細な情報を提供したうえで「それでもよければいかがですか」と尋ねると「面白そうですね」といって応募し、入社していく人が数人いました。
入社後、順調に出世できた人も、すぐ辞めた人もいますが、クレームはないし恨まれることもありません。きちんと事前に社内状況を把握して入社しているからです。
優良な人材紹介コンサルタントは
三つのポイントで選ぶ
注意しておきたいのは、人材紹介会社ならどこでも企業の深い情報を継続的に収集しているわけではないことです。一方、会社としてそうした取り組みをしていなくても、個人として情報を蓄積している人材紹介コンサルタントもいます。
ですから、転職活動の際は複数の人材紹介会社、複数の人材紹介コンサルタントから最適な人を選び出すことが大切です。病気で医者にかかるときも、医者なら誰でもよいわけではないでしょう。せっかく人間ドックを受けても、医者の腕が悪ければ病気を見逃されてしまいます。
人材紹介コンサルタント選びは、単に案件情報をくれるという観点だけでは不十分です。希望する企業や業界の事情に通じていること、表面的な情報ではなく、良い面も悪い面も含め自分にとって価値のある情報を蓄積しており、提供してくれること。そして自分のことを深く理解してくれること。自分を理解してくれていなければ、適切なマッチングもあり得ません。
人材紹介コンサルタントを選ぶときは、この3つのポイントから見て判断することが重要です。