求人 6年半ぶり高水準

総合求人 6年半ぶり高水準

県内の雇用情勢の回復が続いている。千葉労働局が29日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0・01ポイント上昇し、0・91倍と2007年12月以来の水準となった。仕事に就きながらより待遇の良い仕事を求める動きもみられ、「売り手市場」が広がる。ただ、業種によっては人手不足も目立つなど課題も現れている。

 「通信関係の営業の仕事をしているけど、より給料や福利厚生など待遇がいい仕事に就きたい。最近はいい条件の求人が増えているからぜひ、転職したい」

 この日、ハローワーク千葉(千葉市美浜区)に来ていた市内の男性会社員(31)はそう話した。20歳代の女性派遣社員も「正社員の仕事を探しに来ました」と話すなど、より待遇の良い仕事を探す人の姿が見られた。

 安倍政権の経済政策・アベノミクスで景気が回復基調にあり、雇用情勢も好転している。有効求人倍率は昨年1月の0・67倍から大きく改善。新規求人数(原数値)も前年同月比7・5%増の2万3241人と10か月連続で前年を上回った。

 仕事を求める人1人につき、正社員の求人が何人分あるかを示す正社員有効求人倍率(同)も、今年に入ってから0・48~0・53倍とほぼ2人に1人分の求人があり、同局では「緩やかな改善傾向がみられる」と判断している。

 ただ、求職者が仕事に就きやすい環境となった一方で、人材を求める企業と職を探す人の希望がすれ違う「雇用のミスマッチ」もみられ、業種によっては人材難に陥っている。

 「仕事は確実に増えているけど、これまでデフレで景気が悪く採用を抑えてきたので、人手が全然足りない」

 県内の70歳代の建設会社経営者はそう嘆く。大手ゼネコンによる人材の引き抜きもあり、「給与を上げて優秀な人材の確保に努めているため、売り上げが伸びても、人件費も上がって利益が出にくい」という。

 実際、千葉労働局の業種別有効求人倍率(原数値)でも、建設や採掘などが3・47倍、警備員などが3・72倍、介護などのサービスが1・54倍と「1倍」を大きく上回る。逆に、女性に人気の事務系は0・19倍、高齢者の希望が多い運搬・清掃などは0・55倍と人気の職種では求人が足りない雇用のミスマッチが目立つ。

 ハローワーク千葉では、1年ほど前から求職者にダイレクトメールを送って建設や介護の仕事を紹介したり、施設内の部屋を面接会場として提供したりと企業のサポートにも力を入れており、希望者を増やすため、企業側には待遇の改善を促しているという。

 ただ、左官業や鉄筋工など、建設業でも体を使う仕事では求人倍率が約10倍まで高まっており、「通勤圏の都心の企業との賃金の格差もあり、県内企業にとっては厳しい状況だ」(求人部門の担当者)。

 人手不足が賃金を押し上げ、個人消費が増加して景気を一層押し上げるか、それとも人手不足が景気の腰折れにつながるのか。ちばぎん総合研究所の松永哲也専務は「今の好調さをプラスにつなげるには、各企業が景気の先行きを信じ、賃金を上げていけるかどうかが鍵を握る」と話している。