管理職の方必読!「イクボス」に聞く時短勤務の悩み解決法

総合管理職の方必読!「イクボス」に聞く時短勤務の悩み解決法

厚生労働省主催「イクボスアワード2017」において、イクボスとしてグランプリを受賞した女性がいる。彼女は管理職なにのも関わらず、時短勤務をしながらチーム、及び自身の生産性を上げ続けているという。

時短勤務なのに管理職。そこにはいったいどのようなワザがあるのか。オイシックスドット大地株式会社 大地を守る会宅配事業本部 販売企画室 週次企画セクション マネージャーの上野綾子さんに話を聞いた。

■復帰後の時短勤務者は少ない

現状、時短勤務はどのような状況なのか。マクロミルが2016年に行った調査では、産休・育休復帰後2年以内の女性380人のうち、フルタイム勤務者は81%、時短勤務者は19%となっており、時短勤務者は少ない。

そして「満足度」については、フルタイム勤務者が時短勤務者よりも低い結果となっている。マクロミルの分析によると、時短勤務者の仕事への総合満足度を高めているのは、「職場との人間関係」「雇用形態」「勤務時間」の3項目だという。そして時短勤務者の満足度の決め手は、“正社員のまま”、“周囲から理解のある”状態で時短勤務できていることにあるのではないかとしている。

このような良い要素が揃った職場が現状、多くないことが、時短勤務者が少ない理由なのかもしれない。

■時短なのに管理職!? その凄ワザとは

そのような時短勤務を行いながら、管理職として成功している女性がいる。厚生労働省が主催する「イクボスアワード2017」において、イクボスとしてグランプリを受賞した、オイシックスドット大地のマネージャー上野綾子さんである。

上野さんは3人の子を持ち、産休、育休を繰り返し、時短勤務を続けている。次の経緯で管理職になったそうだ。

「3回目の復職から約半年後に、チーム長(マネージャー職)にならないかというお話をいただきました。1人目の出産前に一度同じポジションを経験していましたが、10ヶ月程度でまた産休入り。その後は、社内に時短マネージャーはいなかったため、当初は『できるだろうか』という不安もありましたが、時短勤務でもやりきれるという道を拓きたいという思いが大きくなり、現在の職についています」

そしてチーム長として次のことを行いながら、チームの生産性を上げてきた。

・部下に対して情報の共有・判断、仕事の割り振りをスピーディーに行う。
・部下に仕事の優先順位を明確に指示する。
・自身の経験から、復職者に対し、休職期間中の業務状況変化を説明、理解できるよう研修を実施。
・リミットタイムで仕事をしているため、いつも業務効率化を考えている。
・あらかじめ自身の“集中業務時間”をメンバーに伝え、しっかり確保している。

■時短勤務者に向けたアドバイス!

そこで上野さんに、時短勤務で悩みがちなことに対する解決策をアドバイスしてもらった。

●「時間内に終わらせるために、仕事が忙しくて大変」

「この課題については、時間配分の大幅な見直しをしました。例えば、メールチェックにやたら時間がかかっていることに気づき、メール処理は、時間を決めてその中でやりきることを徹底するようにしました。その他、メールでのやり取りを減らし、会って話してその場で解決する、結論を出すなどを心がけています。そういった細かいことでも見直しをすることが大切だと思っています」

●「時短勤務は肩身が狭く、先に帰るのが他社員に申し訳ない」

「まずは、常に周りに感謝の気持ちを持つこと。『申し訳ない』より『ありがとう』を言うようにしています。急な休みなどで周りにフォローしてもらったときも、まずはお礼を言う、そしていつか自分がフォローする立場になったときに、しっかりとフォローしようという気持ちを忘れないようにしています。

それでも、みんな頑張っているのに申し訳ない、うしろめたいという気持ちになりそうなときは、『私はこれから子育てという社会的事業、もうひとつの仕事をしにいくのだ』『これは自分の子どもを一人前の大人として育て上げ、社会に出すまでの大きなプロジェクトなのだ』と言い聞かせ、心の中で『これから子育て事業に向かいます!』と唱えています。もちろん子育ては、仕事以上の喜びや幸せを感じる時間ではありますが、周囲に理解されないこともあるかもしれません。自分の気持ちの割り切り方として、こうしています」

●「職場で責任ある仕事を任せてもらえないのがジレンマ…」

「自身が10年前に一旦マネージャーになり、その後10年間は育休、復職を繰り返し、必ずしも納得がいく仕事ができていたとは言えません。でも、周囲からの『時短だからここまでかな』という視線を感じ、自分自身でも『もっとやりたい、仕事を任せてほしい』と主張してこなかったことを反省しています。もっとやりたい、できると思うのであれば、上司含め周囲に伝えていくことも大事です。そして言った以上はやりきる覚悟も必要だと思っています」

細かいことの見直しのほか、子育てを事業・プロジェクトとしてとらえる強さ、謙虚な姿勢など、あらゆる点で優秀なイクボスとしての要素が話の中にちりばめられている。時短勤務者、そしてイクボスを目指す女性にとって、今後、大いに参考にすることができそうだ。

取材協力
上野綾子(うえの・あやこ)さん
オイシックスドット大地株式会社 大地を守る会宅配事業本部 販売企画室 週次企画セクション マネージャー。有機野菜などの宅配サービス「大地を守る会」会員向けの商品企画や販促企画などを行う。現在は自身の含め、7人の部員のうち5人の時短勤務者がいるチームをマネジメントし、成果を上げている。
2008年に第一子、2011年に第二子、2015年に第三子の育児休業を取得し、復職。2016年10月より現マネージャー職に従事。
https://www.oisixdotdaichi.co.jp/