離職防げ、人材各社支援に動く 採用難で商機拡大

総合離職防げ、人材各社支援に動く 採用難で商機拡大

人材サービス各社が従業員の離職を防止するサービスを相次いで拡充する。エン・ジャパンは転職者に転職先企業での活躍を支援するサービスの対象を拡大したほか、ツナグ・ソリューションズも離職の可能性が高い従業員をフォローする取り組みを充実させる。新卒や中途の採用が一段と難しくなる中、既存の人材を定着させて活用する人事施策の重要度が増している。

エン・ジャパンは新しい職場への定着支援サービスの対象を拡大し、同社の全ての転職関連サービスの利用者が使えるようにした。無料で研修プログラムを受講できるほか、転職者向けに職場で活躍するポイントなどを記したサポートメールを3年間定期配信する。

同社の定着支援サービスの利用企業の1年以内の平均離職率は利用前に13.6%だったのが、利用後には5.3%まで低減しているという。不動産業界に転職した女性は「入社後の節目に届くメールに励まされ、どうにか今の職場に適応できた」と話す。

パーソルホールディングス傘下のパーソルキャリア(東京・千代田)も同社の人材紹介サービスを利用した転職者の定着支援を始めた。同社のアドバイザーに無料で相談でき、離職につながる問題を早期に解決する。サービスを充実させ、企業や求職者それぞれの利用を増やす。

ツナグ・ソリューションズはEmotion Tech(東京・千代田)と資本業務提携。ツナグ子会社が持つ従業員の日常の意欲を報告するアプリと、Emotion社の従業員アンケートを通じて満足度などを探るシステムを組み合わせる。不満を把握して改善策を打ち出すことで、より人材定着につなげやすくする。年30社程度の新規顧客の獲得を目指す。

厚生労働省が発表した2017年11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.56倍と2カ月連続で上昇し、1974年1月以来の高水準が続く。人手確保が難しくなる中で賃金を上積みするだけでなく、企業によっては求人広告などの採用費用も増加傾向にある。

1人あたりを採用する費用は求人広告費だけで新卒で約45万円、中途で約40万円が必要とされる。採用後の研修などの教育費を含めると数百万円になることもあるという。「採用、教育を繰り返すことに比べて、離職を防止するサービスを活用する方がはるかに安価で効率的だ」(エン・ジャパン)との見方もある。人材各社では採用関連だけでなく、離職防止や人材定着の分野でも企業の需要が伸びると見ており、新たなサービスの開発が今後も相次ぎそうだ。