総合今さら聞けないビジネス敬語の使い方
仕事のスキルを上げる前に、最低限、身につけておきたいビジネスマナー。入社して3年経っても、意外と実践できていない人が多い。そこで正しい敬語の使い方の基本をおさらいしてみよう。
◎知っておきたい敬語の基本
言葉遣いは、その人の人柄を表わすもので、コミュニケーションの重要なカギを握る。ビジネスマンとしてだけでなく、社会人としても外せないマナーだ。だが、状況によって千変万化する敬語を完璧に使いこなすのは難しい。思わず使っているあの言葉が実は失礼な言葉だったということもよくある話だ。尊敬語、謙譲語、丁寧語を理解し、状況にあった敬語を使えるようになろう。
【尊敬語】
上司や年長者など、自分より目上や地位の高い人の動作や状態、持ち物などを直接敬って、尊敬を表わす言葉。
【謙譲語】
自分や自分の身内の動作や状態、持ち物などをへり下って表現することで、間接的に相手を高める表現方法。
【丁寧語】
初対面の人などに、言葉をていねいに表現することで、相手に失礼のないよう、また敬う気持ちを表わす言葉。
〈ここがポイント!〉
正しい敬語をマスターすることは大切だが、言葉遣いにはもっと大切なことがある。それは「相手の目を見て、元気よくハキハキとしゃべること」だ。これは誰にでもすぐにできる。これを心がけ、さらに敬語を使うことが重要なのだ。言葉遣いは一朝一夕に身につくものではないため、話す言葉を自分の中で咀嚼してから話すといった工夫や、先輩や上司の言葉遣いを注意して聞き、勉強していこう。
[STEP 1] よく使う言い回しはコレ!
【尊敬語】
言う → おっしゃる
聞く → お聞きになる
見る → ごらんになる
食べる → 召し上がる
行く → いらっしゃる
する → なさる
【謙譲語】
言う → 申す・申し上げる
聞く → 伺う・拝聴する・うけたまわる
見る → 拝見する・見せていただく
食べる → いただく・ちょうだいする
行く → 参る・伺う
する → いたす・させていただく
【丁寧語】
誰 → どなた様・どちら様
どんな → どのような
これ、ここ → こちら
さっき → 先ほど
いいですか → よろしいでしょうか
いいです → 結構です
[STEP 2] 間違えやすい敬語表現
〈パターンその1〉過剰敬語
丁寧に言おうとするあまり、敬語をいくつも重ねてしまう。相手を不愉快にするわけではないが、社会人なら正しい敬語を使えるようになろう。
× 社長がお帰りになられました
○ 社長がお帰りになりました
尊敬語の「お+なる」を使ったうえに「れる」をつけるのは過剰。
× お召し上がりになられましたか
○ 召し上がりましたか
「召し上がる」は食べるの尊敬語なため「お+なる」「られる」をつけるのは過剰。
× 先輩がこうおっしゃられました
○ 先輩がこうおっしゃいました
「おっしゃる」は「言う」の尊敬語。さらに「れる」をつけるのは過剰。
× ▲▲部長様はいらっしゃいますか
○ ▲▲部長はいらっしゃいますか
役職を示す言葉はどれも地位があるという意味で、その言葉自体が敬語。なので役職に様をつけるのは過剰。
〈パターンその2〉尊敬と謙譲の混同
自分がへり下るべき謙譲語を相手の動作や状態を表わす時に使ったり、自分の行動に対して尊敬語を使うことは、相手に対して失礼にあたる。
× ▲▲さんは、おられますか
○ ▲▲さんは、いらっしゃいますか
「おられる」は謙譲語。
× ▲▲さんが申されました
○ ▲▲さんがおっしゃいました
「申す」は謙譲語。
× ▲▲さんでございますね
○ ▲▲さんでいらっしゃいますね
「ございます」は謙譲語。
× ごらんいただきましたでしょうか
○ ごらんくださいましたでしょうか
「いただく」は「もらう」の謙譲語。
パターンその3〉注意したい言葉遣い
何気なく使われるワードが、実は失礼な言葉だったというのは、気をつけなければならない。言葉の意味を理解し、状況にあった正しいワードを使うべし。
× ご苦労様でした
「ご苦労様でした」は目下の者の労をねぎらう言葉。基本的には「お疲れ様でした」を使おう。
× ▲▲でいいです
「▲▲でいい」という表現は、どちらも気に入らないけど……というニュアンスが含まれている。マイナスな表現を避けるためにも「▲▲をいただきます」など「を」がベター。
× 大丈夫です
ついつい「OK」の意味で使ってしまうが、「大丈夫」は危険や失敗がないと断言できる状態を表わす言葉。「けっこうです」「お願いします」を使おう。
× 役不足なのでお断りします
役不足とは、本来その人の力量や才能に対して役割が軽すぎることの意味だ。「力不足なので」が正解。