総合県内就職 若者の心つかめ
県、進学段階での対策強化
進学や就職などをきっかけにした若年層の県外流出に歯止めがかからない。県外へ進学した学生のUターン就職率や、県内の大学生の県内就職率が低迷していることが主な要因だ。県は、若者の転出が人口減少や企業の人材不足につながっているとみて、対策強化に乗り出す。(田村勇雄)

県人口の1年間の増減のうち、転入、転出による変動を示す「社会増加・減少」は、1955年以降、79年前後や95年の頃などの一時期を除き、転出が転入を上回る状態が続いている。

中でも、年代別では20歳代の流出が著しい。2016年の県人口の社会増減は、全体でマイナス1091人。30、50、60歳代は増えたが、10歳代が317人減、20歳代は981人減った。06年以降の10年間をみても、20歳代は常に年1000人以上のマイナスで、他の年代よりも突出している。
県は、今年3月卒業した大学生らを対象に、若者の県外流出の実態を把握するための調査を実施。県内から進学する学生が多い関西や中国地方などの大学45校では、県出身者計987人のうち、Uターン就職した卒業生はわずか324人(32・8%)だった。県外の大学に進学すると、そのまま県外の企業に就職する傾向が強いことが浮き彫りになった。
鳥取大など県内の大学に通う学生の就職先でも、県内企業が選ばれる機会は少ないのが現状だ。鳥取短大生の県内就職率は73・6%だが、公立鳥取環境大は23・5%、鳥取大は18・7%と低く、県外から鳥取に来た学生は、県外に就職して出て行ってしまう割合が高いこともわかった。
県は、移住・定住促進や学校教育、雇用などの担当部署の部局長らでつくる同推進チームの会議で対策を協議。新たに「学生自身による情報発信」や「県外大学のサテライトキャンパス誘致への取り組み」「県立ハローワークの活用」などの施策を今後、講じていくことを確認した。
県と鳥取市が設置する公立鳥取環境大も、地元からの入学生を増やし、県内企業への就職率を高める目標を定めたという。大学の担当者は「県教委と連携して大学の魅力を高校生に伝え、進学時の選択肢にしてもらいたい」とする。
同推進チーム長の岡村整諮・県統轄監は「産業の中核を担う若者が県外に出て行く現状をなんとかしたい。県内企業の良さをどう知らせ、興味を持たせるか。個々の関心に応じられるよう、きめ細かい情報提供や取り組みを続けたい」と話す。