総合ソニー、10年ぶり人事・賃金改革 高コスト是正
ソニーは人事・賃金制度を10年ぶりに改革する。役割に対する報酬をより明確に再定義した「ジョブグレード制度」を導入。社員の処遇にメリハリをつける新制度の導入で、総人件費を抑えながら意欲の高い社員を登用する。最大の経営課題であるエレクトロニクス事業の黒字化と持続的な成長に向け、高コスト体質の是正に本腰を入れる。
8月上旬にも労働組合と団体交渉に入る。交渉次第だが、新制度は2015年度からの導入を目指す。
現行制度は過去の実績や将来への期待も含めて評価しており、結果として年功要素が残るのが課題だった。新制度は年功要素を完全に廃し、「現在果たしている役割」にのみ着目し評価する。
給与水準も人材獲得で競合する大企業の水準を参考に見直す。具体的にはパナソニックや日立製作所など電機大手のほか、三菱商事や日産自動車などの処遇水準を基に、新制度での賃金水準を再計算する。
ソニーの年間平均給与は13年度で885万円。同社は製造部門を切り離しており、ホワイトカラー中心の人員構成。単純比較はできないが、パナソニックの691万円、シャープの600万円など競合する家電メーカーと比べて高い。
ソニーは社員の高齢化が進み、管理職比率が4割超に達する。現行制度では役割と処遇のバランスが崩れ、組織の活力やスピード感がそがれていた。新制度導入では評価にメリハリをつけるため、総人件費は下がる見通しだ。
一方、人材流出を避けるため、社員のやる気を引き出す仕組みも増やす。
今の役割を重視する新制度の実施で、若手を積極登用する。20歳代の人材を課長級に起用することも目指す。社内募集制度も刷新。従来は求人側が社内で募集告知する仕組みだったが、本人が自ら希望部署に異動を申告し、求人側が希望者に接触できる仕組みを取り入れる。専門性を追求したい社員向けに専門職用の役割等級も新設する。
エレクトロニクス事業の競争力回復に向けて、人事・賃金制度を改革し、将来の持続的な成長に向けた事業基盤を作り直す。

