出所者雇用わずか4%、6年ぶり減少 17年犯罪白書

総合出所者雇用わずか4%、6年ぶり減少 17年犯罪白書

刑務所出所者らの雇用に協力する「協力雇用主」のうち実際に出所者らを雇っているのが前年比14社減の774社だったことが17日公表された「2017年版犯罪白書」で分かった。減少は6年ぶり。協力雇用主全体に占める比率は4.2%にとどまった。被雇用者も8年ぶりに減少。出所者の就労先確保の難しさが浮き彫りになった。

各地の保護観察所に登録する協力雇用主の状況をまとめた。17年4月時点で協力雇用主は前年比13.6%増の1万8555社。08年に比べて2.8倍に増えた。

業種別では建設業が半数を占め、サービス業(15.1%)、製造業(11.4%)が続く。規模別では従業員29人以下の雇用主が過半数を占めた。100人以上は4.7%にとどまり、中小企業の割合が高い。

一方、実際に出所者らを雇っていた雇用主は4.2%の774社。意欲はあってもトラブルなど実際の雇用に不安を抱く雇用主は多く、ほかの従業員への配慮などからためらう経営者も少なくないとみられる。

雇用された出所者らの人数も前年比206人減の1204人。業種別では建設業(64.5%)が最多で、サービス業(14.3%)が続く。規模別では従業員29人以下が58.3%を占める。

国は出所者などを雇用する企業を20年までに約1500社に増やす目標を掲げ、奨励金の支給や競争入札での優遇措置など雇用促進策を打ち出しているが、雇用の増加に結びついていないのが現状だ。

白書では内閣府が13年に実施した世論調査の結果から出所者らの社会復帰支援に対する国民の意識も分析した。

約6割が犯罪や非行をした人の立ち直りに協力したいと回答する一方、協力内容としては更生保護施設への寄付や「社会を明るくする運動」への参加など間接的な支援が多い。直接会って継続的に助言や援助するとした人は2割弱にとどまった。

法務省は「出所者らと直接関わることに不安や抵抗感を抱く人が少なくなかった」と分析している。