総合“プロフェッショナル”サラリーマンを輩出できる企業とできない企業
今の日本において「学歴社会」「大企業に就職すれば安泰である」という考え方は、既に過去のものになりつつある。では、どうすればサラリーマンはこの変化の激しい時代に生き残ることができるのか。同時に企業は、生き残れるような人材を育成し、組織として強くなっていくためにはどうしたらよいのか。
アマゾンの本の総合ランキングで1位を獲得した話題の本「『社員を大切にする会社』の人事評価」(PHP研究所)の著者で人事サービス提供会社「あしたのチーム」の社長・高橋恭介氏に聞いた。
高橋氏によると「社員を大切にする会社の3つのポイントがある」という。
まず「目標が明確である」ということ。「どんな職種でも目標設定は可能であって、社員にとって目標が分かりづらい状態にある場合は、社員を大切にしていないということと同義」だといい、「社員を大切にする会社であれば、ビジネスにつながる一人ひとりの目標を明確にしなければならず、それによって社員のモチベーションが上がっていく」という。
次に「評価制度が見える化されている」ということ。「そのためには“相対評価”をやめて、“絶対評価”を採用する必要がある」とのこと。「たとえば評価制度の事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める『PDCAサイクル』が健全に回ることを前提として、目標を明確に設定し、目標を達成したときの処遇も明示すること、それができているのが社員を大切にする会社」だという。
最後に社員が「成長ができる」ということ。「評価制度が見える化されていて、目標が明確であり、適切な評価ができていれば、その環境のなかで社員は自ら成長することができるという。社員自ら成長し、ビジネスマンとしての価値を向上させ、市場価値を高めていけるメカニズムのある会社こそが、本当の意味での社員を大切にしている会社である」とも。
高橋氏の著書にはサラリーマン全員が「プロフェッショナル」として所属する組織が変わったとしても、どこでも通用する人材になる心構えや行動についてを、そして経営側においては「プロフェッショナル」な人材を育む人事制度についてを、中小企業に対するトータル人事サービスを提供する経験から事例をふまえ具体的に書かれている。
理想的なサイクルを生み出す基盤づくりのために、行き過ぎた成果主義に陥らない人事制度を取り入れていくことで、仕事が楽しくなり、生産性も高まり、どこにでもいる普通の社員が成果を出せる仕組みができていく。そしてその結果、生き残れる「プロフェッショナル」サラリーマンを輩出していくのも、これからの組織の役目といえるのかもしれない。