小売り・サービス、人手不足で値上げ広がる

総合小売り・サービス、人手不足で値上げ広がる

小売業やサービス業で値上げの動きが広がっている。日銀が2日発表した企業短期経済観測調査(短観)の業種別計数では、販売価格判断指数(DI)が小売りで2008年以来の高水準となった。非製造業は人手不足で賃金コストが上がり、販売価格に転嫁しているようだ。

販売価格判断DIは自社の主力製品やサービスの価格を聞き、「上昇」の回答比率から「下落」を引いて算出する。小売業(全規模)は昨年9月にプラスに転じて以降、上昇基調にあり、6月調査ではプラス10と08年9月以来の高水準となった。宿泊・飲食サービスはプラス11と08年6月以来の高さで、建設はプラス4と1991年12月以来の高い水準だった。

昨年半ばから非製造業の人手不足が強まっていることが背景にある。宿泊・飲食サービスや対個人向けサービスでは、04年に集計を始めて以降、「人手が不足している」との回答の比率が最も高くなった。小売りも「不足」と答える企業が多い。賃金を上げて従業員を確保する動きがあり、販売価格の上昇につながっている。

ただ、消費増税の影響で最近は個人消費の回復も足踏みしている。国内での需要は「回復が一服してきた」と回答する企業が増え、先行きも慎重な見方をする企業が多い。物価の上昇基調が強まるには賃金の上昇を通じて、家計の消費マインドが高まっていく必要がある。