認可保育施設、名古屋市が開放へ 民間参入どこまで

総合認可保育施設、名古屋市が開放へ 民間参入どこまで

株式会社による認可保育施設への運営参入を決めた名古屋市が27日、初の企業向け説明会を開催した。市はこれまで運営を社会福祉法人など非営利法人に限っていたが、方針を転換。利用者にとっては保育サービス拡充などで選択の幅が広がる一方、門戸開放には慎重な声もある。民間参入がどこまで進むかが注目される。

名古屋市は2015年4月までに新たに定員2630人分の施設を新増設する計画。このうち6月と8月に公募する計30カ所(同1800人)について、民間企業からの参入を認めた。

名古屋市役所でこの日開かれた説明会には民間の19社が参加した。首都圏などで実績がある保育サービス大手や、市内の認可外保育施設などが含まれる。今回の公募ではすでに保育施設の運営実績があることが条件。ただし、説明会には、介護事業者や出版社、不動産関連企業も参加しており、門戸開放への関心の高さをうかがわせた。

認可保育施設への民間参入は横浜市などで進んでいるが、名古屋市は「急な廃止などの撤退リスクがある」などとして認めていなかった。

来年度から始まる国の子育て支援制度で自治体は運営主体を制限できなくなるため、名古屋市は1年前倒しして民間の認可に踏み切った。

ただ民間参入への懸念は根強い。今回の公募では選定に際し、公認会計士や保育の専門家らが財務状況などを綿密に審査。「撤退する場合は半年前に市側と協議すること」を条件とするなどリスクを最小化する。

名古屋市は4月時点の待機児童数(国基準)が、11年と12年の2年連続で全国ワーストだった。だが河村たかし市長の肝煎り施策として保育施設の新増設を進め、今年4月時点でゼロを達成。ただ国の定義に該当しないものの、市で保育施設に入れない子どもが756人いるという。

民間企業には商機が広がる。今回の公募施設は1カ所の定員が60人と大きく、「サービスを充実できる」(保育サービス大手)。将来は保育関連商品を扱う事業者や、駅前や沿線に土地を持つ鉄道会社などの新規参入も予想される。説明会に参加した民間事業者からは「やっとチャンスをもらえた。信頼してもらえる保育施設を提案したい」との声が聞かれた。