女性雇用能力開発、キャリア継続支援拡充で役職者の女性比率を15%へ【アルプス物流】
女性メンバー7人によるWGを設置
アルプス物流(本社・横浜市港北区、臼居賢社長)では、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定した。昨年5月に女性メンバー7人によるワーキンググループ(WG)を設置し、同10月には、全社員を対象に女性活躍推進に関するアンケートを実施。
これらから抽出された課題を分析した上で、施策に反映し、女性が活躍できる雇用環境を整備する。具体的には、①社員の意識改革②女性の能力開発推進③女性のキャリア継続支援の拡充――などにより、2018年度には役職者に占める女性の比率を現状の12%から15%に引き上げる目標を掲げている。

電子部品の取り扱いがメインの同社では、軽量品が多く、細かい作業を要することから物流会社としては比較的女性比率が高い。正社員、有期雇用社員を合わせた全社員の61%が女性(正社員については39%が女性)。採用者数、勤続年数に男女の差はみられないものの、「役職者に占める女性の比率が低い」という課題認識がある。
約20年前から大卒の女性の定期採用を行っているが、定着という点では必ずしも課題がないわけでなない。従来、転勤(異動)を伴うキャリア形成がメインで、女性のライフステージとのミスマッチが見られた。また、教育で男女差を設けていないつもりでも、結果として受講者が男性に偏っていた。
まず、女性自身がどう感じているかを把握する必要があるとして、物流現場・営業・システム開発・通関そして本社部門など様々な職場から計7人で構成されるWGを設置し、女性自身による状況把握、意識調査、課題分析、施策検討を実施。WGでは「女性だけでなく、男性も含めて意識を変えることが大事」という方向性が示された。
「正社員再入社制度」も7月から実施

女性の能力開発の推進では、女性のキャリア意識を啓発する研修プログラムの検討に着手しており、来年以降、毎年開講を目指す。また研修受講者に占める女性の割合を高めていくよう人事総務部からの働きかけを行っている。また、女性が少ない部署の課題を分析した上で対応策を検討し、配属に必要な教育プログラムを実施する。
女性のキャリア継続支援の拡充では、育児休業期間の延長を含めた制度面の見直しを行う。併せて、弾力的な勤務形態の導入に向けた検討も開始し、今秋から適宜採り入れていく計画としている。また、子育てや配偶者の転勤に随行するために退職した社員を対象に「正社員再入社制度」も7月から実施する。
男女問わず働きやすい環境づくりの一環として、残業の削減や年次有給休暇の取得率アップに向けた改善にも取り組んでいる。時間外労働については経営層が各拠点の個人レベルまでチェックしており、季節波動などで突発的な残業過多があった場合も、これが常態化したり、特定の個人に集中しないよう注意を払っている。

「仕事がおもしろい」と思える経験が必要

中村邦彦取締役管理担当は、女性のキャリア継続について「出産や育児などを終えて会社に戻ってくるには、若い時に『仕事がおもしろい』と思える経験が必要」と指摘。また、「キャリアカウンセラーやメンター制度まで大がかりでなくても、キャリア形成のアドバイスやサポートを行う何らかの取り組みができないか考えている」。
今後の課題のひとつが、女性活躍推進の取り組みの地方の拠点への水平展開だ。地方の物流拠点はメーカーの工場と比べ規模が小さく、管理系のスタッフの数も少ない。
女性活躍推進に対する理解度も必ずしも十分でなく、日々の業務の中で活動する時間も限られてしまう。ITツールの活用など知恵を絞り、取り組みを浸透させていく考えにある。