女性雇用「女性管理職比率が増加した企業」トップ100 「CSR企業総覧」で読み解く有望企業
6月も終盤となりもうすぐ7月。内定を獲得できた学生が就職活動を終了させているのか、少し前までオフィス街で目立っていたリクルートスーツ姿の就活生も、徐々に減ってきている。
まだ就職活動中の学生にはぜひ頑張ってもらいたいが、そろそろ現3年生も多くの企業情報に触れ、就職活動への意識を高めていく時期になってきた。特に最近は女性社員の活躍が目覚ましく、安倍政権も社会での積極的な女性活用を推進している。そこで今回は、女子学生向けの情報として「女性管理職比率の増加ランキング」を紹介する。
女性が管理職として活躍できる環境は手探り状態ながらも政治的な後押しもあって、徐々に広がっている。『CSR企業総覧』(東洋経済新報社刊)を見るとその動きは顕著で、ここ数年で急激に女性管理職比率を伸ばしている企業も出てきた。こうした会社には他社とは違ったノウハウがありそうだ。今後、女子学生が就職希望先としてじっくり研究する候補としては、ピッタリかもしれない。
今回は、『CSR企業総覧』2016年版(基本的に2015年時点)と5年前の2011年版(同上2010年時点)を比較し、5年間の増加ポイントでランキングした。
1位はイオンフィナンシャルサービス
1位はイオンフィナンシャルサービスで22.4ポイント(以下、P)の増加。2010年は管理職21人で9.5%だったが、2015年には281人で31.9%と高い水準になっている。従業員数は直近で男性1015人(63.4%)、女性585人(36.6%)と女性管理職比率(31.9%)と女性従業員比率がほぼ同じ水準。上位の部長職比率も24.7 %と高く、男女にかかわらず平等に昇進の機会が与えられていることがうかがえる。
年齢層別で見た男女全体に対する女性従業員比率は、30歳未満57.8%、30代27.4%、40代9.3%、50代5.3%。ちなみに5年前も30歳未満が51.2%と過半数を超えていたが、30代は13.7%と低かった。これが27.4%と倍増しており、管理職候補の30代女性の厚みが増している。
2位は第一生命保険。2010年の5.7%(169人)から2015年には23.3%(798人)と17.6P増加した。ダイバーシティ推進の柱の1つとして「女性の活躍推進」を掲げ、女性リーダー育成を積極的に進めている。2018年には25%以上、2020年代早期に30%以上を達成できるよう取り組みを強化している。
3位は三菱UFJニコス。2010年の1.7%(16人)から2015年には17.6%(109人)と15.9P増加した。福利厚生制度として「家事代行サービス」が利用できるなど、家庭と仕事を無理なく両立できるような制度が多く整えられている。
以下、4位セブン&アイ・ホールディングス15.8P増、5位丸井グループ14.3P増、6位アジレント・テクノロジー10.3P増で、7位はファンケル、和田興産の2社が10.2P増となっている。
また、9位の神栄(8.7P増)と17位の川崎汽船(7.0P増)はいずれも2010年時点では1人しかいなかった会社。着実に増加して今回上位に入った。
増加ポイントを概観すると、5年間で10P以上の増加は7位まで、5P以上増加は34位の四国銀行までと、女性管理職の大幅増は一部企業にとどまっている。発展途上が多数を占めているのが現状だ。
女性管理職比率のほかにも重要指標が…
さて、女性が働きやすい職場を見る指標はさまざま。『CSR企業総覧』では短時間勤務制度、在宅勤務制度、産休・育休取得者数・期間・取得率などが代表的だ。こうした家庭と仕事を両立しやすい制度とあわせて、実際に管理職登用者の増加数値を見ていけば、仕事でも責任あるポジションを務められる会社かどうかがわかるだろう。
近年、多くの会社で女性社員の採用数は増えているが、女性社員の育成についてはまだまだ課題が山積している会社が多い。その点、今回比率を上げた会社には成功のノウハウが蓄積されている可能性が高い。女子学生が今回のランキングを参考にして、素晴らしい就職先を選ばれることを期待している。
2. 女性管理職が急増している会社はまだ少数だが、その中に女性が活躍できる会社が含まれている
3. 女性にとって働きやすい他の諸制度も参考に会社選びをしよう

