改正労働者派遣法は異例の39の附帯決議をつけて成立 求められる周知の徹底

派遣改正労働者派遣法は異例の39の附帯決議をつけて成立 求められる周知の徹底

平成27年改正労働者派遣法は、施行日を9月30日とした修正案に八項目39の附帯決議が付けられ9月11日衆院本会議で可決成立した。小誌発行日にはすでに施行されている同法だが、現時点(9月17日)では、膨大な量の異例の附帯決議、参議院修正案、労働政策審議会建議を踏まえた政省令の策定に向けた労働政策審議会審議が佳境を迎えている。

 さて、政省令の詳細は次月号以降徹底解説していくが、ここでは附帯決議の内容の一部を紹介する。

例えば第一項は、「派遣は臨時的・一時的であるべきとの基本原則が変わらないことに十分留意し、派遣労働が企業のコスト削減や雇用責任回避のために利用されてはならない」と述べている。

さらに、常用代替の防止について、「派遣労働者が派遣先社員の代替を防止する」だけでなく、「派遣先社員の雇用機会が不当に狭められることを防止する」ことを含むとした。また、「直接雇用が労働政策上の基本原則であることに鑑み、派遣元、派遣先双方が派遣労働者の正社員化に向けた取組を講じさせる」こと、「国として派遣労働者の正社員化を促進する取組を支援する具体的措置を実施すること」などを含め最大限努力することとされた。またこの際の正社員とは、無期、フルタイム、直接雇用が原則であり、加えて長期的な雇用に基づく処遇体系の下にある労働者であることに留意し、短時間労働者、非正規雇用労働者についても正社員化の機会が与えられるよう最大限努力することとされた。

以上は附帯決議のごくごく一部だが、これらに修正案などの内容を踏まえ、9月11日に法案成立を受けた労働政策審議会職業安定分科会の第226回労働力需給制度部会(鎌田耕一部会長)(以下労政審)が早速開催された。

この日は第1回目の会合ということで、主に配布された資料の説明、理解に費やされた。ただし労働側代表からは「法案成立から施行まで、過去最短でも5カ月の周知期間があった。今回の状態は異常だ」との意見も出された。ただ法案成立直後にも関わらず厚労省側の対応も素早く、資料も準備され審議会は無事開催された。

第2回労政審は翌週9月15日に開かれた。ここでは前回示された建議等と政令・省令・告示に対して、それぞれの厚労省案が提示された。第3回は9月17日に実施されたが=写真、ここでは労政審建議に示されていた「日雇い派遣」の見直し案について、今回の逼迫した審議日程中には議論不可能との意見が出、今後可及的速やかに審議することとされた。

もともとこの平成27年改正派遣法自体、その政省令に係る項目の多さが指摘されていたが、さらに39項目の附帯決議が付くという異例の展開は、この改正の趣旨の一つであった「わかりやすく」が崩れはしないか危惧されるところだ。それゆえに、施行後も周知の徹底は急務となろう。小誌でも政省令はもとより、告示、通達、指針、業務取扱要領などを次月以降徹底詳細解説する。