女性雇用「出産した女性を新卒で採用して」“男性目線”の少子化対策に女性経営者たちがほえた
業経営者らが集まって政府への政策要望などを議論する恒例の財界の夏季セミナー。安倍晋三政権が「女性活用」を掲げていることもあって、少子化対策などが主要テーマに取り上げられたが、今夏のセミナーでは女性経営者の発言が話題になっている。「出産した女性を新卒採用すべき」「男性の意識改革全く足りない」…。男性目線からは生まれない斬新な意見は、経済界に届くのか。
女子大生に就活はいらない!?
7月に開かれた日本商工会議所の夏季セミナーでは、少子化・高齢化対策、人手不足問題で、全国各地の商工会議所の会頭らが地元で実施している対策などが発表された。
「大学で東京などの都会に行き、そのまま東京で就職する若者が多く、人手不足が深刻」(地方の商工会議所会頭)といった現状や、「跡取りにしようと思っていた子どもが、東京で就職してしまい事業継承がうまくいかなくなっている」(中小企業)といった悩みが報告された。
こうした悩みに対し、東京で働く30~40代のIターンやUターンの促進を図るため、東京に転居や転職の相談窓口を設置するといった施策などが紹介され、なかでも商工会議所主催で婚活パーティーを実施し、一般の婚活パーティーよりもカップル成立率が高いといった話には笑いも起きた。
しかし、そこで飛び出したのが、美容関連商品販売会社「コスムビューティーサイエンス(東京都渋谷区)」の山崎登美子社長の発言だ。
その内容は「少子化問題の解決は緊急の課題。なぜ少子化になったかといえば、女性が結婚しなくなったからだ。できれば女性は早く結婚して子どもをたくさん産んでほしい。そのために、子どもを産んだ女性が30代になってからでも新卒として採用できる仕組みを作ってほしい」というものだ。極論すれば、女子大生の就活はいらないという考えがベースにある。
さらに山崎社長は「今のままの少子化対策、人手不足対策は、女性に子どもをたくさん産め、そして子どもを産んだら会社で働けという女性ばかりに負担を強いている」と続け、他の出席者の面持ちが神妙になっていった。
また、東京商工会議所のセミナーでも塩崎ビル(東京都市千代田区)の塚本レイ子社長が少子化対策でほえた。
「女性が出産後、働けない期間があるからどうするかという問題の前に、男性が一緒になって子育てをしているのか。こうした意識を変えない限り、改善しない」
「この問題がそのままだと、結婚して子供を産んだら自分で全部引き受けなければならない。みなさんの意識を変えていただくのが一番の早道。ご自分の今までの家庭生活を振り返り、(男性の)協力が少ないから女性が晩婚化する、結婚しないということを理解してほしい」と男性自身の意識改革を迫った。
「企業子宝率」が脚光
少子化対策、人手不足対策への“男性目線”を戒める女性経営者からの発言に男性経営者から応じる発言がなかなか出てこなかったが、ここへ石破茂地方創生担当相が参戦する。経団連のセミナーで「日本の男性が女性が働ける環境をつくるために努力してこなかった。男性が掃除などの家事に参加することを真剣に考えなくてはならない」と発言。企業に勤める人が在勤中に何人の子供を持てるかを示す「企業子宝率(企業の合計特殊子宝率)」の引き上げの施策を考える必要があると力説した。
財界ではセミナーでの議論を受け、少子化・人手不足の対応策をとりまとめることになっている。「企業子宝率」などが今後、クローズアップされることになるかもしれない。