派遣派遣法改正の30年
IT業界と労働者派遣の歴史は長い。「システム開発の現場では古くから、派遣型の常駐形態が普及していた」と、ピー・エム・ピーの鈴木雅一代表取締役は振り返る。ユーザー企業のシステム部門の社員とITベンダーの技術者が机を並べて作業に当たることは、今も昔も珍しい光景ではない。
1985年には、従来禁止されていた派遣事業に関して、専門的な業務のみを対象に許可する「労働者派遣法」が国会で成立(図A)。翌1986年7月に施行された。常駐形態が常態化していたこともあってか、ソフトウエア開発は第1号業務として対象となった。同業務は、他の業務に比べて長い期間の派遣を認められた。

1999年の法改正では、派遣適用業務が製造業などの一部を除いて原則自由化された。派遣期間は1年と定めたものの、当初から労働者派遣法の対象だった13業務を源流とする専門26業務については、最長で3年という比較的長期間にわたる派遣を認める優遇措置が設けられた。
2003年には、派遣期間を延長する法改正を実施。専門26業務以外については期間制限を1年から最長3年とし、専門26業務は期間制限そのものが取り払われることになった。
今回の法改正における専門26業務の区分撤廃は、IT業界が今まで恩恵を受けてきた“特別扱い”が無くなることを意味する。業界への影響は大きい。
一方で専門26業務は、該当するかどうかの判断が労働局によって分かれる場合があるなど関係者を悩ませてきた。首都圏コンピュータ技術者(MCEA)の眞杉幸市取締役会長は、「派遣制度がシンプルになる」とプラスの側面もあると話す。