女性雇用ダイキン工業が女性限定管理職ポスト 50前後設置へ
ダイキン工業は9月から女性幹部を育成する新制度を導入する。営業や製造といった登用が遅れている部門を中心に女性限定の管理職(課長級以上)ポストを50前後設ける。幹部候補には役員が自ら指導する制度も新設する。同社は海外市場の開拓を急いでおり、グローバル競争を勝ち抜くには女性社員の活躍が必要と判断。管理職の女性比率を2020年度までに3倍の10%に高める。
女性限定の管理職ポストは空調営業本部の部長や課長クラス、工場の生産ライン長などに設ける。今秋は50前後でスタートして順次広げる。
これまでは育児休暇からの早期復帰を支援する施策が中心だったが、新たに取り入れる管理職育成制度は「やる気のある人を引き上げやすくするのが狙い」(ダイキン)。女性を想定したポストをまとめて用意して登用を促す試みは珍しい。
ダイキンは空調設備の売上高で世界3位につける。欧米の有力企業では、女性社員が若手時代から役員昇格に向けて腕を磨くキャリアアッププログラムがある例が多い。「海外事業を拡大して首位をめざすには、優秀な女性が活躍しやすい制度が必要」と判断した。
役員が女性幹部を直接指導する「スポンサー制度」は、5人の幹部候補生を選抜。担当役員らが定期的に面談したり重要な会議に参加させたりする。直属の上司を飛び越し仕事を命じたり担当職場を変えたりして役員に必要な経験を積ませる。
政府は今は1割ほどの女性管理職比率を20年までに30%に引き上げる方針。厚生労働省によると製造業の課長相当職に占める女性の割合は13年度で4.4%だった。
女性幹部の育成に力を入れる企業は増えている。日産自動車は15年4月に女性管理職の比率を前年の7.1%から8.2%に引き上げた。日立製作所は20年度までに国内の女性管理職を12年度の2.5倍にあたる1000人に増やす計画だ。
女性管理職比率の数値目標は、逆差別につながると批判する声もある。ただ日本の比率は欧米の3~4割に比べて低い。
ダイキンは11年に女性活躍推進プロジェクトチームを立ち上げたが、女性管理職比率は3%にとどまっていた。
女性リーダー育成のための研修や男性管理職の意識改革など環境づくりを優先してきた。女性社員が増えてきたこともあり、新制度で実際に管理職への登用を進める。
ポスト新設とあわせ働きやすい環境も整える。子供が生後6カ月未満で育児休暇から復帰した社員は満1歳まで週1~4回の在宅勤務を認める。