「派遣法改正は悪影響」が7割、緊急アンケート結果

派遣「派遣法改正は悪影響」が7割、緊急アンケート結果

2015年3月13日、政府は3度目になる労働者派遣法の改正案を国会に提出した。派遣法の改正はシステム開発、IT業界に大きな影響を与える問題であり、ITproはWebで同改正案について緊急アンケートを実施した。

改正案が今国会で可決されれば、2015年9月1日に施行となる。施行までの猶予期間は既に6カ月を切っている。自社や自分にどういった影響がありそうかを検討するうえで、このアンケート結果を参考にしてもらいたい。

「派遣法の改正で、システム開発や保守・運用に影響があると思いますか?」という設問に対して、300件を超える回答のうち「悪い影響があると思う」と「どちらかと言えば悪影響があると思う」を合わせると全体の7割に達した(図1)。これに対して、「良い影響があると思う」と「どちらかと言えば良い影響があると思う」を合わせても2割に届かなかった。

派遣法の改正で、システム開発や保守・運用に影響があると思いますか?
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自分自身に対する影響も尋ねたが、こちらは「悪い影響があると思う」と「どちらかと言えば悪影響があると思う」を合計して5割で、技術者個人よりもシステム開発そのものへの悪影響を予想していることが明らかになった(図2)。

派遣法の改正は、あなたにとって影響があると思いますか?
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悪影響を憂慮する声が多い理由については、「派遣制度の規制強化によって、違法行為(偽装請負など)が増えると思いますか?」への回答結果が参考になるだろう。「増えると思う」と「どちらかと言えば増えると思う」を選んだ回答者は全体の7割を超えた(図3)。

派遣制度の規制強化によって、違法行為(偽装請負など)が増えると思いますか?
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派遣法改正への関心は高いが、実際の対応はまだ進んでいない実態も明らかになった。「派遣法の改正について関心がありますか?」という問に対しては、「ある」と「どちらかと言えばある」で、全体の97%を超えている(図4)。

派遣法の改正について関心がありますか?
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 一方で、「派遣法の改正で、あなたが所属する企業や部署では対策(法改正の内容の把握、影響調査など)を始めていますか?」という質問に対して、「既に始めている」、「今後、始める予定がある」の選択肢を選んだのは全体の4割弱だった(図5

派遣法の改正で、あなたが所属する企業や部署では対策(法改正の内容の把握、影響調査など)を始めていますか?
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今回のアンケート結果で見る限り、システム開発の分野に関しては、派遣法改正について、否定的な見方が多かった。

多様な立場から多様な声

以下では、アンケートに対する回答のうち、実際に派遣技術者と関わっている方からの声を示す。業種や企業規模、派遣法とのかかわりなどで分類している。読みやすさなどを考え、趣旨を損ねない範囲で一部内容を編集したものがある。

IT企業(1000人以上)、主に派遣技術者を送り出す側

最初は、主に派遣技術者を送り出しているという従業員1000人以上のIT企業からの回答だ。

これまでは、零細派遣会社からの保守・運用業務等に低賃金で固定化されていた技術者も、きちんとした派遣会社によるキャリア形成支援のもとで、安定した就労が可能になっていく。

IT企業(1000人以上)、主に派遣技術者を受け入れる側

以下では主に派遣技術者を受け入れている1000人以上のIT企業からの声を示す。3年という期間が与える影響について触れているものが目立つ。

経験がない若者に派遣が増え世代間格差が広がるような気がします。
非正規労働を雇用不安定としてデメリットにみるか、雇用に縛られない高い自由度というメリットにみるかでまったく正反対な見方ができてしまいます。それを同じ土俵で議論しようとするから無理があるのではないでしょうか?
企業にとっては、人を変えれば派遣の人を3年以上その業務に従事させることができるようになった(以前は、3年以上その人を派遣し続けると直接雇用する必要があった)。
民主党などが指摘するような同一労働・同一賃金の法制化も実施すべき。
短期的に見れば業務の混乱や停滞など悪影響が考えられる。
但し長期的に見れば、現在の属人化およびITベンダの技術空洞化の改善につながるのではないか。現在は派遣技術者に実務技術が集中し、直営社員は単なる書類作成係になっているIT企業も少なくないのではと思っている。その状況が変わるのであれば多少の痛みは仕方がない。
3年たったら、技術者を雇用するか、交代させないといけないとなれば、派遣契約での受け入れができない。
大規模の開発や運用を請け負っている弊社は、良くも悪くも長期派遣社員のノウハウがあり、回っている部分がある。社内の異動とあわせると派遣社員からのスキルトランスファーも必要となってくるため、要員計画・部下育成を今よりももっと強化していかなければならないと感じている。派遣社員が継続して働ける期間は3年であっても、別の人を派遣社員として雇えば企業は継続して派遣社員を雇用する事が出来る。
この法律の趣旨は、企業が派遣社員をより雇用しやすくするためのものだとしか思えない。これは企業が人を安く、業績悪化時には一番最初に解雇しやすい人材として、人材を確保するための法律への改悪だと思う。
また、専門26業務の撤廃の趣旨も不透明だ。3年で別の人に引き継げない技術だからこそ、期間を設けずに雇用されつづけているのではないだだろうか。
同業務3年以上は働けないとなると、その後また職を探すのが大変になってしまいます。
安定した雇用は派遣にはさらになくなってしまうことになります。
会社としてもすぐに切りやすい派遣のほうが都合がよいでしょうし、ますます正社員への雇用機会が減ってしまうような気がしています。

IT企業(1000人以上)、派遣技術者を送り出すことも、受け入れることもある

派遣技術者を送り出すことも受け入れることもあるという、1000人以上のIT企業からも回答があった。まだ影響の全貌がわからないためか、悪影響を意識したものが多い。

特定派遣の廃止が行われた場合、現状の法案に照らし合わせると資産用件をクリアできない小規模な企業(実際には個人事業者も多い筈)の多くが撤退・統廃合を強いられると思います。
IT運用部門などである程度ノウハウの必要な技術者が勤務年数の上限を設けられるという事は、業務の継承時の負担が増える事に直結し、それをかいくぐる為に請負の形を取った事実上の派遣契約が増えるのではないかと危惧します。
法案上では3年程度の猶予期間があるとされていますが、切替時にはかなりの混乱が予想され、申請→受理までの期間がどの程度かかるのか想像もつきません。
正直なところ、誰のための法案なのか首を傾げたくなります。
派遣が臨時的・一時的なものであると言いつつ、企業が永遠に派遣技術者を使い続けられるようになったり、課を異動すれば永遠に派遣労働者として働き続けることができるようになる法改正には大きな矛盾を感じる。
日本のIT産業の未来を考えると、今のような派遣ビジネスから脱却する方向へ進むといいと思っている。小学校からプログラミングを並んでいる子供達に今のSIerのビジネスを残すべきではない。
違法業者が淘汰されずに地下に潜るだけではないか?

IT企業(100人以上1000人未満)、主に派遣技術者を送り出す側

従業員が100人以上1000人未満のIT企業では、主に派遣技術者を送り出している立場からの回答が一気に増える。改正案について、ある程度は情報を持っていることがうかがえるものが多い。

労働者を派遣することで利益を得ている会社が、派遣できなくなったとき、自社で新しい製品やサービスを考え、売り出し、その開発や運用に派遣させていた社員を使うようになるのがもっとも正しい方向だと思う。それで淘汰されるようであれば、大きな会社に吸収されるなりすればいい。
IT業界で派遣契約で仕事している人の中には、その人(個人)でなければ出来ない場合が少なくなく、今回の法改正で、派遣元と派遣先との契約内容変更で、損を蒙るのは業界企業側ではなく労働者側になることが目に見えている!!
[同一の派遣先で働ける期間の上限を3年とする]
この派遣先は企業単位なのか?企業系列単位なのか?事業所単位なのか?特定部門単位あるいは特定PJ単位なのか?
一般の派遣とこの業界の派遣をひとつにまとめると、困るのは派遣技術者のみならず、ユーザー企業も困るのでは?
誰のために改正しようとしているのか全く分からない。この改正により得をする人がいるのだろうか?費用の負担増と、作業環境や雇用の損失を増やす結果にならないのか。それならそもそも派遣業自体が必要なものなのか疑問になる。派遣という契約形態で仕事をする必要があるのか?
『1人の派遣労働者が同一の派遣先で働ける期間の上限を3年とする』の理由がいまいちわからない。有期雇用に限定する意味が分からない。
・高度なスキルを持っている人が特定の派遣先にロックされてしまう事が減るかも知れない。
・(企業間の)賃金の見直しサイクルが早くなるかも(長く居続けてもなかなか上がらない現状がある)
・同じ現場に居続けることで、その仕事しか出来ないという事も減るかも知れない。
出向という名の派遣が増えるだけ。何も変わらない。
現状IT企業では、特定派遣の会社が80%とも言われる状況で、改正後、即元請け会社が取り組むことができるだろうか?疑問に感じる。

IT企業(100人以上1000人未満)、主に派遣技術者を受け入れる側

100人以上1000人未満のIT会社では、主に派遣技術者を受け入れている企業からもある程度の回答があった。法改正だけで業界の健全化は難しいという複数の意見がある。

専門26業務撤廃で、契約外の仕事が増えるようになるのではないかと不安。
派遣期間を3年で区切り、技術者を交替させる必要性が理解できない。
現在取引しているソフトウェアハウスは規模が小さいため、まず一般労働者派遣事業の申請が通らない可能性が高く、3年の猶予があったとしてもこの状況は変わらないと思う。請負に変更することで、足かせ(命令系統の変わること、作業指示以外の作業を依頼できないなど)による作業停滞が発生する懸念もある。
IT業界に関して言えば、「解雇が容易になれば、IT部門とIT業界の問題は片付く」で書かれている通り、必要とされる人員数が大きく変動するIT分野の仕事に対して解雇規制がきわめて厳しいというアンマッチに対する合理的な解決策が示されない限り、法律がどう変わろうとも実態は大して変わらない(変えられない)。法律上グレーであっても、発注側、受注側ともにその状態を望む(それ以外の解決策がない)以上は……
派遣法云々にかかわらず、既にブラックと呼ばれる企業では違法な就労が蔓延しており、今更法律が変わったからと言って、どうなるものでもないと思う。
派遣元、就労先、労働者の三者の意識の改革が必要で、行政は罰則を含めもっと厳しく取り締まるべきと思う。

IT企業(100人以上1000人未満)、派遣技術者を送り出すことも、受け入れることもある

派遣技術者を送り出すことも、受け入れることもある100人以上1000人未満のIT企業からの回答でも、まだどういった影響があるかはっきりしないというものが複数ある。

様々な理由により、正規契約ではなく「敢えて」派遣契約を選んでいる人達にとっては悪法以外の何者でもない。政府は「悪質業者の退場」が目的と言っているが、このような法改正を行なっても悪質業者は何らかの抜け道を作ると思う。結果、現場の派遣契約者や、受け入れ側に負担がかかるだけではないか。
・正規契約を望んでいる派遣契約者を守る法
・正規契約を望んでいない派遣契約者を守る法
・悪質業者の監視、罰則の強化
をセットで考えてほしい。
また、専門26業務の撤廃もナンセンス。区分けの仕方がまずいのであって、区分けを行なうこと自体は正しいと思う。上手く区分けができないからといって全撤廃とはお粗末過ぎる。
そもそも、下記のような形態の場合、今回の改正がどのような影響を与えるのか、よくわからない。
【形態模式図】
官公庁等(発注元)→大手ベンダ(受注先/業務委託元)→中小ベンダ(業務委託先/不足要員募集)→中小ベンダ(要員提供)
※不足要員募集・提供の部分がどのような扱いになるのか不明
特定派遣の場合は、そのシステムに責任を追っていると自覚している技術者が多いが、登録派遣の場合は単金で動く技術者が目立ってた。この改正でユーザーとの絆が薄れて益々責任感が薄れていくのではないかと心配です。日本がITで遅れていくのは中途半端な派遣制度のため、単価UPのための教育が中心となり、じっくり腰を据えて人(技術者)を育てる教育の割合が減っていっていることも一因ではと考えます。
自分の仕事への影響が見えない

IT企業(100人未満)、主に派遣技術者を送り出す側

100人未満のIT企業では、主に派遣技術者を送り出している側の回答が多い。特定労働者派遣、あるいは専門26業務への関心が高く、法改正が自分の働き方に直結すると判断していると感じさせるものがいくつかある。

IT業界に身を置くものとしては、派遣法改正には非常に関心があります。
特定労働者派遣業を撤廃したところで、SESがほとんどのこの業界には影響がないという企業様もいるようです。
正社員雇用の特定労働者派遣業を撤廃というのはどういうものかと思う。特定を無くす意味が分からない。
受入先企業の経営層や大手派遣業者にはいいのかもしれないが、3年以内に受入先からCutされることが分かっている大方の派遣社員にとっては何のメリットもない。
派遣さんもその後の業務が必ずある訳ではなく、給与も上がることもない今よりも、ますます正社員との賃金格差が広がるだけ。
国会で色んなことで「格差」について議論されているが、政府としてそれを助長しているに過ぎない。
専門26業務の撤廃により同一派遣先で働ける期間が3年となることが、もっとも影響度が大きいと思う。
業務委託という名の実質派遣に規制が入らないと変化はないかと思います。
特定労働者派遣事業は致し方なしと思う。実際良くない派遣会社もあると聞きますし。幸い私のまわりでは聞きませんが。
専門26業務の撤廃は影響が大きいと思う。派遣であって派遣ではないと思う。派遣という契約名称だけが独り歩きして現場を全く無視していると思う。役所や政治家の机上の論理だけが先行しているように見受けられる。専門26業務に関しては派遣というよりも協業しているに近いと思う。長期で行うべき仕事が3年という短期で打ち切られる可能性があるのはどうかと思う。長くやるところで得られるノウハウが大事な仕事が多いのは技術や知恵が必要な業種ではよくあること。少なくとも仕事における3年は短すぎます。
専門26業務の場合自社では正社員としての雇用だが取引先との契約が「派遣」という形になっている事も多いと思います。よく政治家が言っている「派遣」とは全く違いますよね。携わる仕事の内容も違うと思います。誰でも出来る仕事ならそれでも良いでしょう。専門26業務はそうではない場合も多々あると考えます
一部の悪い環境のおかげで全体が割を食うってのはおかしいと思います。上から締め付ければそりゃあ管理は楽でしょうけど。現場はたまったもんじゃない。
冗談ではない。死活問題である。
部分的には賛成できるところもあるが、明らかに大手派遣会社に有利な改正と見える。小規模の会社でエンジニアを雇用し、案件によっては派遣契約も行っている会社にとっては資本金の問題などが大きく影響する。そうなると派遣ではなく偽装請負契約などで対応する違法行為が横行してもおかしくない。
IT業界は労働者の声が政治に届きにくいと感じることが多い。特に中小の正社員で特定派遣で働いている人たちにとって良い方向に変わってほしい。
「3年」と言う言葉ばかり取りざたされて、長く派遣を続ける方法が提示されない
望んで派遣をやっている者はどうすべきか
派遣業者として大手企業は特定派遣から通常派遣へ移行するも、中小企業は資本金などの面がリスクとなり移行しないで一部の人材が路頭に迷うように思います。
受け入れ先として大手企業は特定派遣から業務委託に移行するも、中小企業は違法行為または正規社員への業務移行のしわ寄せなどが発生するものと思ってます。
中小企業ほど対応が出来ず、結果貧富の差が広がる要因になるのではと懸念してます
派遣期間に3年の上限が設けられることは、人依存が強いIT業界ではシステム障害発生から回復できないまたは著しく遅延する状態が、3年後に引き起こされると考えられる。
このため、業務の継続性を考える企業では業務委託形態(偽装請負状態)に移行するのではないか。
特定派遣廃止では、多くの特定派遣業者が事業の継続が難しくなるため、廃業等が多発し中小IT企業のエンジニアが失業、低賃金の登録型大手派遣企業での寡占化が進むのではないか。
派遣できる人さえいればどうにでもなった今までの特定派遣業者は今回の件で事業所・資産要件等の認可基準満たせない所はかなり多いと思う。
不明な点は事業所の定義、派遣者は事業所から300~400kmも離れている現場に派遣されているのに事業所と言えるのかがよくわからない。
どうやって偽装請負などを取り締まるのか?
仮に本人や関係者の通報だとして関係者にどれほどのメリットがあるのか?
ザル法になる未来しか見えない
これまでも、多重派遣や偽装請負が「公然の秘密」として蔓延しながらも何の取り締まりも指導すらありませんでした。実際、日本を代表する某企業でさえ、知ってか知らずかはともかく多重派遣の労働者を受け入れていたのが現状です(私は二重派遣された本人です)。今回の「改悪」では、より企業に「都合のいい」内容になっており、労働者にとってはより劣悪な環境を強いられる可能性の方がはるかに高いと考えています。
元々ダークグレーなプログラマ派遣がますますブラックになっていくと思っている。

IT企業(100人未満)、主に派遣技術者を受け入れる側

1000人以上の場合とは反対に、100人未満のIT企業では主に派遣技術者を受け入れるという企業からの回答は少ない。回答は冷静に事態を受け止めている印象だ。

改正案のあらを探してたたいても現状が良くなるわけではないので、今回の改正案を利用して現在の不健全な業界の慣習を変える契機とするように、全員(日経さんなどのメディアも含めて)が努力をすべきだと思います。
ソフト会社(特定派遣)と良い関係であり、準委託のような形で作業を行ってもらうことが多い。特定がなくなることで使う側の対応も必要になる。

IT企業(100人未満)、主に派遣技術者を送り出すことも、受け入れることもある

主に派遣技術者を送り出すことも、受け入れることもある100人未満のIT企業からの回答は、改正案の内容に加え、現状に対する認識の厳しさが目立つ。

正社員と非正規社員の間に歴然とした待遇の差があり、非正規社員が搾取されている状況では、改悪でしかない。実際のところ、そうそう新規事業で人材流用できるわけではないので、人材を使い捨てる運用しかできない。
はじめに、派遣労働者は、派遣元に常設雇用されていないにもかかわらず、派遣先で技能者として即時に高度労務遂行を求められるため、次回雇用のための自己研鑽コストは、派遣労働者自身が、非就労時に自費で負わなければなりません。(依頼元側は、派遣就労中の学習時間とコスト負担を望まないため)次に、派遣法の変更により、派遣労働者が労働義務を果たすために必要な前提…派遣労務の労働条件と作業内容の情報、および対価報酬交渉、労働者の経歴と評価という個人価値プロデュース情報行使権が、派遣会社元のみに集中/蓄積されるという構造的問題が発生します。このため労働者は、自己の待遇改善のための機会を絶たれるが、自己研鑽コストを負わされるというハイリスクに立たされます。派遣依頼元は、上質労働者が供給され続ける限り実害が見えないでしょうが、労働者側の自己研鑽コスト負担は、無限に続くわけが無いため、やがて(変更10年後ほどで)事業を続けるための上質労働者の確保コストは、自分達が支払うしかないことに気付くでしょう。また行政側としても、派遣労働が増え常態化するにつれ、派遣労働者が生活基盤の安定しない非正規雇用であるが故に、税金や年金および社会保険の徴収不安に直面するでしょう。
派遣法の変更は、近視眼的かつ「特定事業者(大手派遣会社)」のみ有利な構造を持ち、このままでは、日本の将来が心配です。国が、派遣労働を雇用の高度化と流動化を図る、国の発展(国民の生活と資質の発展)の手段としているのでしたら、職業安定所を発展させ国が業務依頼主や労働者の経歴の情報を蓄積し、情報の公開を両者にコントロールさせた上で公開して(省庁の垣根を越え国家的に取り組めば、ITで可能でしょう)、派遣労働者が労働義務を果たすために必要な前提…、派遣労務の労働条件と作業内容の情報、および対価報酬交渉、労働者の経歴と評価という個人価値プロデュース情報行使権を派遣労働者に返す必要があると思います。
現在の特定労働者派遣事業者が一般労働者派遣事業者に移行する場合に必要になる条件がよくわからない。
力を付けて成長すれば、派遣の仕事は無くならない。努力をすれば報酬も思い通りに上がっていく。今回の改正でどんなに頑張っても、結局は3年で切られ、仕事を失う。努力したものが報われない。努力するモチベーションも下がる。悪平等ではないか。ずーっと同じ所で自分のスキルを生かして働きたいと言う人の職業選択の自由を奪う制度は、法違反ではないか!?
派遣者になりたくないのであれば、なぜより良い正社員になるために良い大学を卒業したりしないのか?自分の努力不足を棚に上げて権利だけ求める人を救済するのは正しいことなのか?
また社員が本当に安定する働き方なのか??
個人を責任ある大人に育てる教育制度が国に無いこと、家庭に無いことが本当の問題では!?
日本は自己責任を極力負わなくて良い子供社会だなと、つくづく思います。
原則3年という原則は、その他の解釈が成り立つのか否か。

ユーザー企業システム部門

ユーザー企業のシステム部門からの回答もいくつかある。派遣技術者の待遇などを気にしたものが複数あった。

どのように転ぶか分からないが、結果として派遣する側と労働者の立場が、逆転もしくは対等となるようなバランスをもたらすものであれば、良いと思う。
そうでなければ、意味がなく悪法であると考える。
特定派遣が一般派遣や個人事業主に変わるだけでは。グレーゾーンを利用したビジネスモデルに変化するかもしれない。
派遣期間に制限のない専門26業務の区分けを撤廃し、1人の派遣労働者が同一の派遣先で働ける期間の上限を3年とする改正があると、年をとってからまた新しい企業に入ることへのストレスは大きな負担となる。受け入れ企業側はそれほど影響をうけないのかもしれないが、派遣として働いている身分ではとてもつらい。もっと派遣されている人の気持ちを考えて改正してほしい。
派遣社員の役割が増えて、本来、会社としてやるべき事まで派遣社員に任せて、会社自体が弱体化する。
コストダウンも必要だが、過剰なコストダウンは会社を弱らせると思う。

人材サービス会社

人材サービス会社からの回答もある。人材サービス会社での立場によって、改正案に対する見方は異なっており、実際に派遣されて働いている技術者からの回答もあった。

まずは26業務の曖昧な点が改正されるので賛成。
派遣技術者が失職すると大騒ぎしていますが、スキルある方は人材会社が、無期雇用化される機会が増えるので、マイナスだけではないと思う。
そういった意味でも真面目な技術者は報われると思うし、雇用条件改善も見込まれる。
特定派遣の中でもブラックな派遣元が消えることで、コンプライアンス意識のあるところが残るようになる。
新たな派遣のルールが固まれば、請負のルールも明確になりどっちつかずの契約とは区別できるようになる。
派遣法が改正されようがIT業界はすでに無関係。
契約はほぼSESに移行しているので国が介入できない範疇にある。
SESでは納品義務がないため、単価は下がると思うが、許可が下りない場合、企業はSESを選択するしかない(人材不足のため、単価が下がる保証は見当たらないのも事実)。
多重派遣がまかりとおっている現状なのに法規制でどうにかするとかいっている時点ですでにおかしい。IT業界自体の構造は変えられないし、国が動いてもなにも変わらないと思うが、単価がどうなるのかまた期間なども少なからず影響を受けると思う。
未だに多重派遣が多く存在する現状で多重派遣に頼らないと事業が成り立たない派遣元会社が淘汰されればこの改正も意味があるのではないかと思う。ただ3年ルールで人を変えないといけないといった非効率なことが業務に少なからず影響が出るのではないかと思う。わかっている人をルールだからといって交代させればまたいちからリセットされてしまう訳ですから業務に関することをまた教える教わるといった非効率なことが現場に与える影響は場合によっては大きいのではないかと思います。
派遣労働者自身が将来に不安なく働き続けられることができるかが心配です。派遣者自身のスキルアップや待遇面のサポートが良くなってほしいです。
すでに所属している派遣会社が売却された。一時的に混乱はあるだろうけど、受け入れ先の会社は、どのような手を使ってでも、人の工面は付ける。「あなたがいないとウチの仕事は回らない」と言われても、人が入れ替わって回らない仕事はない。やり方が変わるだけ。振り回されるのは、派遣の側…。
経験に基づく知識が重要になることが多いため、期間が限定されると、技術者のみならず、受け入れ先企業の業務にも支障が出ると思う。
事実、今行っている現場では、プロパーよりも派遣技術者のほうが業務知識もシステム知識も豊富なので、派遣技術者が変わると業務を遂行できなくなる。
誰にメリットがあるのかよく分からない。
専門業務を撤廃するのも「簡略化」というが、そもそもその領域を特別扱いにしていた背景が分からないので撤廃して大丈夫なのかという不安がつきまとう。
「派遣労働者」にも様々な業種があり、商習慣も全然違うのでひとくくりにするのに違和感がある。
ITの場合はスキルの高い技術者が下手に企業にがっちり捕まれるより、組織に縛られず難易度や重要性の高いプロジェクトに身軽に参画できる仕組みの方が業界全体に寄与するのではないかと思う。
「1人の派遣労働者が同一の派遣先で働ける期間の上限を3年」なので、長期の派遣の場合には労働者の入れ替えが増えることになる。現実には2~3カ月の短期派遣、長くても6~7カ月程度の派遣が多い。2~3カ月ではなかなか熟練というわけにもゆかず、雑務や力作業にしか関われない。急に派遣打ち切りになる場合もあり非常に不安定である。多重派遣もある。派遣労働の実態は改善されないと思う。
一般派遣とほぼ同じの条件が適用される。 特定派遣の小さい会社の正社員だが、一般派遣に移行出来ないと社長は言っている。正社員なので社内の他業務に移れるが希望職種ではない。
今から一般派遣の会社へ移籍しても正社員にはなれない。
不安定な派遣要員になるのは嫌だ。
改正案は3度目の国会提出になりますが、大変憂慮しています。現在、専門26業務として派遣就業していますが、「最長3年」のルール化によって、5年、10年と就業が続いている仲間のベテラン技術者でも有期雇用者は契約終了になってしまいます。コンプライアンスを重視する風潮の中、法案成立前から該当者は契約終了させる動きが既に出始めています。たとえベテランでも本人は必ずしも正社員希望でもないし高齢者だと所属会社側は社員登用を渋ります。朝会社に来て座ってるだけの正社員より、パフォーマンスを出している派遣就業者の雇用機会が危ぶまれる法改正は絶対おかしい。
改正するなら、登録型を残すのがおかしい、正規雇用を増やすのなら、特定派遣を認可制にした方がよかったと思う。
派遣=非正規労働者とする考え方を改める方向に進む。

その他

上記以外の立場で派遣技術者と関係している方の回答もある。全体に改正による悪影響を懸念している。

役所が管理しやすくするためだけの、法律のための法律のような気がしてならない。
派遣労働者の立場からすれば、特定労働者派遣よりも一般労働者派遣のほうが、劣悪な環境(賃金、社会的地位)を余儀なくされていると思う。
特定労働者派遣の撤廃などという案で良い方向に向かうとは思えない。
・現実に即していない
・IT以外の業界の反応がわからない
大きな派遣会社には影響が小さいだろうが、小さな派遣会社の影響が心配。派遣先の会社は淘汰されても仕方ないと思う。

アンケートは、ITpro上で3月18日から25日まで実施し、回答を受け付けた。全体で330件の回答があった。