女性雇用女性管理職、4.9%に 保険・空運は1割超
上場企業1150社の管理職に占める女性の割合が33業種全体の平均で4.9%であることが分かった。保険、空運、金融など一部の非製造業で10%を超すが、欧米先進国と比べ登用は進んでいない。政府は指導的地位の女性の割合を2020年までに30%に増やす目標を掲げている。数値目標を設けて女性登用を進める企業が増えているが、子育て支援など政策面の後押しも重要になりそうだ。
管理職とは原則として部下を持つ役職についている人を指し、課長級以上にあたる。非製造業の女性管理職比率が平均7.1%で製造業の2.6%に比べて高かった。
登用比率トップは保険業(19.4%)。第一生命保険では今年4月に管理職になる200人のうち3割が女性だ。女性の客室乗務員が多い空運(10.9%)など女性活用を早くから進めた業界は登用でも先行している。
金融業は全般的に女性の活用比率が高かった。ノンバンクやリースなどが11.3%、銀行業が10.1%。クレジットカード大手のクレディセゾンは社員の7割、管理職の5割を女性が占める。同社では「ルートチェンジ」と呼ぶ制度があり、育児の状況に応じて雇用形態を契約社員に切り替え、条件をクリアすれば正社員にも戻れる。
一方、電機、自動車を含む輸送用機械など日本経済をけん引してきた製造業は1~2%前後と低かった。24時間交代制の製造現場が多いためで、新日鉄住金では「女性でも深夜勤務ができるよう法律が改正されるまで女性社員を増やせなかった」という。自動車業界でも「採用に男女の区別はないが、結果的に男性従業員の方が多い」(ホンダ)という。
日本の全就業者に占める働く女性の比率は欧米並みの4割程度だが、管理職への登用が遅れている。労働政策研究・研修機構によると、政治家や公務員などを含む「管理的職業従事者」で女性が占める割合は11.9%にとどまり、3~4割を占める欧米に比べ少ない。
ライフワークス(東京・港)の藤田香織取締役は「数字は目標から遠いが、悲観するような状況ではない。中小企業でもパート女性を正社員化するなど、裾野が広がっている」と話す。
女性登用に数値目標を設ける動きも広がる。女性管理職比率が1.8%の大和ハウス工業は、16年3月までに女性管理職比率を3%にする目標だ。時間単位で有給を取れる制度を設けるなど働き方の見直しを進めている。女性活用を投資判断の材料とする海外マネーも意識し、企業の意識も高まっている。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、15歳から64歳の働き手の中核にあたる「生産年齢人口」は13年の7919万人から27年には7000万人を切る。人口減をふまえ働く女性を増やすには、労働意欲がわくように女性の登用を進めることが不可欠になってくる。
政府としても、保育施設の充実や、男性の育児休暇の取得促進など、女性が働き続ける環境づくりを進め、企業の取り組みを側面から支援することが必要になる。
