派遣法改正案2015まとめ

派遣派遣法改正案2015まとめ

過去2度提出されるも廃案となった労働者派遣法(以下:派遣法)改正案ですが、政府は、3月中旬に改めて提出する準備を進めているそうです。
賛成反対ともに盛んに議論される話題の法改正ですが、それだけ労働者や企業、そして人材業界への影響が大きいということでしょう。
HRogでも、何度か派遣法について取り上げていますが、改めて改正案についてまとめてみました。

これまでの経緯

 

2014年 3月11日 通常国会に改正労働者派遣法案を提出
6月20日 条文の作成ミスにより、廃案となる
9月29日 臨時国会に、改正法案提出
11月21日 衆議院解散に伴い廃案となる
2015年 3月 3月提出に向けて準備中(9月1日の施行予定)

当初は2015年4月からの施行を予定していましたが、廃案につぐ廃案で、
9月からの施行予定に繰り下げられています。

政府が審議を急ぐ背景には、2015年10月1日に施行される「労働契約申込みみなし制度」があるようです。
「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約(直接雇用)の申込みをしたものとみなす制度です。
例えば、専門28業務として受け入れている3年以上働いている派遣社員が、仕事内容によって専門28業務外と判断された場合、雇用期間制限が変わるため「労働契約申込みみなし制度」の対象になる可能性があります。
今回の派遣法改正による専門28業務の撤廃は、このような専門業務の曖昧さを改善しシンプル化することが掲げられています。

改正案のポイント

今回の改正案では、大きく3つのポイントがあります。

1.特定労働者派遣事業の在り方について

  • ・特定労働者派遣事業(届出制)と一般労働者派遣事業(許可制)の区別がなくなり、すべての労働者派遣事業が許可制になる。

特定労働者派遣事業の在り方について

2.労働者派遣の期間制限の在り方等について

    • ・専門業務等からなるいわゆる26業務(現在は28業務)は、分かりにくい等の課題があることから廃止する。派遣労働者個人単位の期間制限において、3年を上限とする。
    • ・無期雇用派遣労働者に係る労働者派遣については期間制限を撤廃。

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  • ・派遣先の事業所単位の期間制限を3年とするが、受入開始から3年を経過する時までに過半数労働組合等から意見を聴取した場合には、さらに3年間延長可能とする(その後の扱いも同様)。

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3.派遣労働者の均衡待遇の確保・キャリアアップの推進の在り方について

  • ・派遣元事業主と派遣先の双方において、派遣労働者の均衡待遇確保のための取組を強化する。
  • ・派遣元事業主に計画的な教育訓練等の実施を義務付けること等によって、派遣労働者のキャリアアップを推進する。

予想される影響

今回の派遣法の改正により、どのような影響があるのでしょうか。
改正賛成派と反対派で意見は異なりますが、以下のようなことが予想されるようです。

  • 28業務

  • ・一般(登録型)派遣事業者が、特定労働者派遣だった分野に、より積極的に参入すると予想される。
  • ・特定労働者派遣を営む中小ITベンダー等の事業者が、派遣事業から撤退するケースが増えると予想される。
  • ・派遣技術者の習熟度が低下する恐れがある。
  • ・直接雇用の増加が期待されています。
  • 28業務以外

  • ・派遣期間の上限が「業務ごとに3年」から「1人あたり3年」に変更されるに当たり、派遣先企業としては3年を越えて派遣社員を受け入れることが可能になるため、市場の拡大が期待される。
  • ・派遣社員が増えることにより、直接雇用社員数が減少する可能性がある。
  • ・雇い止めが増加する恐れがある。
    ※3年の派遣期間終了後に、1:派遣先の正社員としての直接雇用依頼 2:新規派遣先の紹介 3: 人材会社での無期雇用のいずれかを行うことが義務化されていますが、実効性を疑問視する声もあります。
  • ・今まで「業務ごとに3年」の上限の関係で委託していた業務が、派遣社員に変えられる可能性がある。
  • 無期雇用派遣

  • ・派遣元と無期契約を締結する「無期雇用派遣」の増加

 

まとめ

今回の改正案に対しては、生涯派遣で働く人を増やすのではないか、大手人材会社向けの改正ではないかなどの否定的な意見もあります。
肯定的な意見としては、制度が分かりやすくなることで、企業にとっては派遣社員を使いやすく、派遣労働者にとっては働くチャンスが増えると言います。また、正規雇用化やキャリアアップが図られるのかもしれません。
制定以来改正を繰り返してきた派遣法ですが、今回の改正が成立した場合、実際はどんな影響が出るのでしょうか。
HRogでも、引き続き、注目したいと思います。