労働者派遣制度の見直し案、年内のとりまとめを断念 厚労省

派遣労働者派遣制度の見直し案、年内のとりまとめを断念 厚労省

厚生労働省は25日、労働者派遣制度の見直し案について、労使双方の合意を得られなかったとして、当初目指していた年内のとりまとめを断念した。特に企業内で正社員から派遣労働者への切り替えが進まないように一定の歯止めをかける方法を巡る労使の隔たりが埋まっていない。厚労省は年明けのとりまとめを目指し労使の調整を急ぐ。

25日の専門部会前に開いた有識者と労使との個別協議の結果、年内のとりまとめを断念。1月中旬にも開く部会で厚労省が労使の意見を踏まえた新しい案を提示する。

6月に閣議決定した規制改革の実施計画では、「2013年に検討・結論」とある。この計画に基づいて厚労省は作業を進めていたが、とりまとめを無理に進めれば世論の反発も呼ぶとみて、丁寧な議論を優先した。

今回の見直しの柱は、3年ごとに人を代えれば同じ職場で派遣労働者を連続して受け入れ続けられるようにすることだ。従来は同じ職場に派遣を受け入れられる上限は3年間と決まっていた。

残る最大の論点が、派遣先企業の労働組合が派遣受け入れの継続をチェックする機能をどこまで強めるか。労働者側には派遣受け入れが継続しやすくなると、正社員の雇用が派遣に置き換えられていくとの懸念が強い。

とりまとめの原案では3年で人を交代するときに派遣社員が正社員の雇用を奪わないように受け入れを続けるべきかどうか労組に意見を聞くことを求めているものの、反対意見があっても最終的には企業側が判断できる。労働側は労組の発言権の強化や手続きの透明性を求めているが、使用者側は原案にとどめるべきだとの考えだ。

日本の派遣制度は、派遣労働者が正社員に取って代わらないように、派遣労働の業務や期間を限定する「常用代替防止」を大原則としてきた。今回の見直しは、派遣で働く人が今より安定的に働ける可能性を広げるものだが、同じ労働者でも立場によって受ける影響が異なるため、ここにきて意見集約の難しさが浮き彫りになっている。