女性が働き続ける上で譲れないことは「転勤」、転職時に重視することは「職場の雰囲気」

女性雇用女性が働き続ける上で譲れないことは「転勤」、転職時に重視することは「職場の雰囲気」

政府は10月17日に女性活躍推進法案(正式名称:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」)を閣議決定し、今臨時国会での成立を目指している。本法案は、従業員数300名超の企業が、女性登用に向けた数値目標の設定・公表を義務づけるもので、安倍政権が掲げる女性活躍を推し進めるものになるかが注視されている。


エン・ジャパンが運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』では、人事の方から多数寄せられる女性採用や活躍推進の相談を受けて、女性採用・活用に関する特集記事を公開した。女性活用に取り組んでいる企業はこの2年間で8%増加し、45%になっている。

具体的には、半数以上の企業が「出産・育児をサポートする福利厚生の充実」「時短勤務・テレワークなど勤務形態の多様化」など出産後も仕事を続けられるような制度設計に取り組んでいるようだ。一方、当事者の女性の意見としては、母親になっても働きたい人が70%と意欲が見られる。

そのように長く仕事をする上で、許容できないことは「転勤」という意見が圧倒的多数を占めた。また「転職の際に職場の雰囲気を重視する」という意見も90%に上り、制度だけではない雰囲気づくりの重要性が指摘されている。

■女性活用に取り組む企業はこの2年で急増

そもそも、なぜ「女性の活躍」が注目されるのか? 同特集では主に3点( 「ダイバーシティ・マネジメント」「日本の少子高齢化」「優秀人材のボーダレス登用」)をポイントとしてあげている。実際に、2008年・11年・13年と企業の人事担当者に「貴社では女性活用に取り組んでいますか?」という質問を行なったところ、2008年で「取り組んでいる」という回答は34%、2011年は37%と微増に留まったが、2013年では45%と一気に増加した。2012年12月に発足した安倍政権が掲げる「女性活躍」が、企業の取り組みに一定の影響を与えていると考えられる。

■女性活躍・定着への取り組みは出産後の働きやすさを重視した制度設計が中心

2013年度の「女性活用」についてのアンケートで「(女性活用に)取り組んでいる」と回答した企業に、具体的な取り組みを伺ったところ、第1位は「出産・育児をサポートする福利厚生の充実」(70%)、第2位は「時短勤務・テレワークなど勤務形態の多様化」(60%)という回答が並ぶ結果に。出産後の働き方を見据えて、制度設計に取り組む企業が多いようだ。

実際に当事者である女性の意見を見ると、同社が実施した自社の女性社員を対象にした意識調査でも「母親になっても働きたいと思いますか?」という質問に、7割が「働きたい」と回答している。働き続ける意欲のある女性が多い中で、いかにその女性たちが長く活躍できる環境を整えることができるかという点に、企業が注目していることが伺える。その他、安倍政権でも掲げられている「管理職への積極登用」は42%で第3位となった。

■働き続ける上で譲れないことは「転勤」、転職時に重視することは「職場の雰囲気」

所属する女性社員に長く活躍して欲しい企業に参考になるポイントとして、「長く仕事を続けるために、許容できないことは何ですか?」と働く女性1,180名に質問をしたところ、68%の人が「転勤」と回答し、断トツの第1位に。理由としては、“環境の大きな変化はストレスになる”“家族がいるので、自分だけの都合で転勤はできない”などの声があった。

転勤は引越を伴うことが多いため、合わせてライフスタイルも大きく変化。中でも、配偶者や子供を持つ既婚女性にとって、自分の意志だけでは決めきれないことも多く、いくら長く働き続けるためであっても許容できないと考えている人が多いことがうかがえる。

また、これから女性採用を強化していく企業に参考になるポイントとして、正社員での転職を希望する女性697名に「転職活動の際に”職場の雰囲気”を重視しますか?」と質問したところ、90%の人が「非常に重視する」(44%)「まあまあ重視する」(46%)を選択。特に20代女性は52%が「非常に重視する」となった。新規で採用を行いたい企業は、制度設計とともに風土醸成も必要と言えそうだ。

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』のサイト利用者、2008年度 – 575名、2011年度- 453名、13年度:413名
■調査期間:2008年度 – 2008年4月23日~5月27日
2011年度 – 2011年11月2日~12月6日
2013年度 – 2013年7月31日~9月10日