労働者派遣法改正案、成立危うく…思わぬ「敵」

派遣労働者派遣法改正案、成立危うく…思わぬ「敵」

派遣労働者の柔軟な働き方を認める労働者派遣法改正案は、今国会での成立が微妙な情勢となってきた。

 そもそも与野党対決法案で、成立には一定の時間が必要とみられていたが、閣僚の「政治とカネ」の問題が次々と浮上し、国会運営が野党ペースになりつつあるためだ。

 労働者派遣法は、通訳や秘書など26の専門業務を除き、派遣社員の派遣期間を最長3年と定めている。改正案は、業務の枠をなくし、すべての業務で条件付きで派遣期間の延長を可能とする。派遣の「固定化」を防ぐため、3年経過した後に派遣先での直接雇用の依頼を派遣会社に義務づけている。成長戦略の一環として、企業が事業拡大や新規事業を展開する際、派遣労働者を戦力として活用しやすくする狙いがある。

 民主党は「正社員を減らし、派遣社員を増やす」と批判し、反対している。共産党、生活の党、社民党も同様だ。

 ただ、経済成長を重視する維新の党の橋下共同代表が賛成の意向を示したことで野党共闘が崩れ、与党有利との見方も出ていた。

 しかし、改正案は、今国会で、地方創生の基本理念などを定めた「まち・ひと・しごと創生法案」とともに、与野党が特に重要と位置づける「重要広範議案」だ。安倍首相が本会議の趣旨説明や質疑に出席したりする必要があるものだ。

 政府・与党は当初、14日の改正案の審議入りを目指していたが、野党の「日程闘争」で23日にずれ込む見通しとなった。今国会中、首相は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や東アジア首脳会議(EAS)といった海外出張が今後も予定されており、国会に出席できない日がある。与党は、「政治とカネ」の問題で、野党との審議日程の協議で強気に出られないという事情も抱えている。

 11月30日の会期末まではまだ40日以上あるが、自民党幹部は「成立は会期末ぎりぎりになる。閣僚の『政治とカネ』問題などで1日でも審議日程がずれたら、危うい」と危機感を強めている。