女性雇用育休は1年で! 期限付き再就職のオプションを
3回目の今回は、リクルートワークス研究所の石原直子主任研究員らがまとめた「提案 女性リーダーをめぐる日本企業の宿題」から、仕事と家庭の両立を実現するための仕組みに関する部分を紹介する。
1.育休は1年でいい
「戦線離脱期間」をむやみに長期化させると、能力や経験、人的ネットワークが陳腐化し、戦力外通告される危険性が増す。個別事情は考慮するにしても、リーダーになろうとする女性なら、1年の休業で。
最も重要なのは、長い育児休業制度ではなく、安心して「(年度初めに限らず)いつからでも」預けられる保育園の整備などにより、「きちんと復職できる」ための社会的サポートだ。
2.優秀な人材に「期限付き再就職オプションを」
女性の中には、配偶者の転勤や家庭の事情などでやむなく職場を離れざるを得ない人も多い。その中には、優秀で、将来のリーダーになれる可能性の高い人もいるはずだ。今回の提案モデルでリーダー職級以上に昇進した人などに途中で辞められるのは、企業にとっても投資のリターンを回収できず、大きな損失となる。
そこで、こうした能力の高い人材、たとえばリーダー職級に昇進した人に限り、その経験や知識が劣化しない3~5年以内に「再就職オプション」を提供する。こうすることで、女性のリーダーを増やせる可能性が一段と高まる。
3.時間と場所にとらわれない働き方を
「1日8時間勤務」で仕事を完結、成果を出させる。「長時間勤務や残業を受け入れなければリーダーになれない」という考え方から脱却すべきだ。
また、女性リーダー育成のキーワードは柔軟性、生産性。「在宅勤務」のほか、月間、年間の労働時間を決め、必要に応じて日々の労働時間を自由に設計できる「コアタイムなしのフルフレックス勤務」などを活用するのはどうだろうか。
育児と仕事を両立させる女性の多くは、時間の貴重さというものを、身をもって知り、日々を過ごしている、限られた時間内で生産性の高い仕事を行える可能性が高い。このため、育休明けも引き続き重要な仕事を担当できるような支援をしたほうがいい。
4.育休中の学び直し
育休期間を学習機会とし、仕事経験の補完にあてさせる。育休の終盤期は子どもの生活にも一定のリズムができる、Eラーニングなどで学習の時間を組み込むことは可能、スムーズな職場復帰にもつながり、リーダーとして必要な知見を補うことができる。
Q.育児休業について、安倍首相が「3年」と言及していた時期がありました。
2013年4月の安倍首相の発言の中で「えっ」と思ったのは、「3年間抱っこし放題で(職場に)帰れるようにします」というところ(当時、安倍首相は3年育児休業制度を経済団体に要請)。「3年間とは、企業や労働者の実情から少しずれているのではないか」「むしろ、1年で会社に復帰できるよう保育園の話をしているところで、3年間休んでそこから追いつけ、とは、また女性の負荷が増えるの?」などと思った人は多いでしょう。ただ、3年育休の話はその後聞かなくなりましたね。


