女性登用「無理してでも抜てき」 LIXIL社長 Wの未来 俺に任せろ

女性雇用女性登用「無理してでも抜てき」 LIXIL社長 Wの未来 俺に任せろ

LIXILグループは、女性活躍推進で著しい成果を挙げているとして2013年度なでしこ銘柄に選出された。先頭に立つのが藤森義明社長だ。日本ゼネラル・エレクトリック(GE)会長から11年に現職に就き、女性活用をはじめダイバーシティ(人材の多様性)推進を経営戦略の柱に据える。その狙いと思いを藤森社長に聞く。

藤森義明 LIXIL社長兼CEO
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藤森義明 LIXIL社長兼CEO

――なぜダイバーシティに力を入れるのですか。

「2011年に社長を引き受けるにあたり、LIXILグループのあるべき姿をまず考えた。それはグローバル化しかない。国内市場にとどまらず、海外でも競争できる企業にならなくてはいけない。ダイバーシティはグローバリゼーションの大原則だ。個々の多様性を重んじチャンスを誰にも与え競わせる。この3つが実現しないとグローバルに通用する企業にならない」

「当社はダイバーシティへの取り組みが足りなかった。GEがダイバーシティに取り組みだしたのも20数年前からだ。私はちょうどその初期からGEに身を置き、ダイバーシティを進め組織が強くなるのを間近にみた。会社をこの先、強くしていくにはダイバーシティが絶対に必要だ」

――社長に就任した後に「管理職登用者の3割以上を女性にする」と明言し実行しています。企業の間では数値目標ありきの女性登用を批判する声が根強くあります。

「女性は可能性を秘めている。でも普通にチャンスを与えていても可能性は発揮できない。潜在力を引き出すには無理してでも思い切ってチャンスを与えることだと考える」

「わたし自身もGEでチャンスをもらって成長できた。日本GEで2人以上の部下を持ったこともなかったのに米国本社勤務の機会をもらい、そこで数百人の部下を任された。かなり無理なストレッチ(背伸び)だったが、課題を乗り越え大きく成長した。当社の女性社員にも私と同じ経験をさせたい」

「もちろん抜てきした女性すべてが結果を出せるわけではない。7割以上が成功すれば十分だと思う。2~3割は潜在力を発揮しきれず失敗する。それでも構わない。もともと現状の能力と比べて2~3倍の課題を与えているのだから、思うように結果が出なくても20~30%の能力アップにはなるはずだ。本人にとっては貴重な財産で、その経験が生かせる別のポストで活躍してくれればいい」

 

女性の活躍を推進するには、トップが口を酸っぱくして言い続けることが大切と語る
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女性の活躍を推進するには、トップが口を酸っぱくして言い続けることが大切と語る

――経営トップが自らかかわる意義はなんですか。

「大きな変革を起こすことがリーダーのやるべきことの一つだ。ただ組織は過去に成功体験があると変わるリスクを取りたがらない。どこの会社でもリスクを取れない人はたくさんいる。でもリスクを避けて現状維持を続けていては5年後、10年後に尻すぼみになってしまう。リスクを取ってでも変革を起こしていかないと成長が滞る。『失敗を恐れずリスクを取れ』と言えるのはトップだ。女性活躍推進もその一つだ。やり続けるためにはトップが口を酸っぱくして言い続けることが大切だ」

「11年から始めて3年たつ。女性活躍推進の成果を具体的にあげるのは難しいが、少なくともこの間、業績は伸びているし過去最高益も出した。キッチンや水回り、トイレの商品など女性が参加したことで革新的な商品も生まれた。でもまだまだ足りない。GEでさえも20年以上取り組んできて今がある。5年後、10年後にもっと変わっているためには、トップが発言し続けることが必要だ」