IT内職…過疎を救い、女性雇用を解決したい

女性雇用IT内職…過疎を救い、女性雇用を解決したい

人材派遣サービスを手がけるパソナテック執行役員、粟生万琴(あおう・まこと)さん(39)。仕事と育児を両立させながら、IT(情報技術)で日本の未来を変えようとしている。

(聞き手 高瀬真由子)

--今後目指す地域や日本の姿は

粟生 今、どんどん日本の雇用が失われてきて、日本でものが作られなくなっていますよね。でもそれを海外に展開することで雇用が生まれると思うんです。

--海外に目を向けると

粟生 そのためには日本の子供たちにもっと世界を向いてもらう。日本のよさを子供たちにもしっかり知ってほしいと思います。私もそうでしたけど、どうしてもアメリカとか海外に目が向いて、日本のことを知らなかったので。

--元気の源は

粟生 好奇心でしょうね。昨日つぼみだった花が咲いただけでも感動できますから。それから変化がない毎日はつまらない。

--新しいことが好きなんですね

粟生 IT業界を選んだのも、進歩が速いからです。新しいことが好きな代わりに、ずっと同じことをするのが苦手ですが。

--リフレッシュ法は

粟生 週1回は必ずマッサージに行き、子供とプールに行ったりもします。それからサプリメントでも、新しいものはすぐに試してしまいますね。

--好奇心旺盛ですね

粟生 両親から子供のころ言われた言葉が2つありまして、ひとつは人と違うことをすること。私たちの時代は終身雇用で60歳まで働き続けられる時代じゃないから、人と違う動き方で勝ち残っていることを考えなさいということでした。

--もうひとつは

粟生 たくさんの友達をつくりなさいと。身近な友達は自分をきっと支えてくれるから、と言われました。

--猪突(ちょとつ)猛進タイプにみえます。誰かとぶつかることはありませんでしたか

粟生 ありましたよ。でも男性経営者の友人も多く、アドバイスをたくさんいただいています。「それは君のこういう態度があかんからそうなったと思うよ」って。

--今後はどのように活動を展開するのですか

粟生 海外で活躍する未来の人材を育てるような仕事ができればと思います。IT技術や日本のクリエーティブな産業を世界にPRしていければ。

--ITは少子高齢化が進む地域でも活用が期待されますよね

粟生 そうですね。過疎が進むまちで、ITを使って高齢者が安全に過ごせるよう挑戦したいです。また女性の雇用ですね。自宅でITを使って在宅ワークができるような仕組みができれば、子育て中でも仕事ができると思うんです。

--具体的には

粟生 例えば地方の観光情報を集めているような媒体では、地元の人がお勧めする店の情報を伝えることができます。(小規模の仕事)「マイクロワーク」も増えてきているんですよ。女性が働き続けられるような「現代版IT内職」を地方の人にもお伝えできればと思います。

--全国で同じ問題を抱えているところにも活用できますね

粟生 人口減少で過疎化が進んでいる地域は、交通や防災、買い物の不便さなどさまざまな課題があります。

--本当ですね

粟生 ただ日本人はこういう課題解決は得意だと思います。さまざまな経済の変化の中でも工夫しながらやってきましたから。そして「課題解決立国、日本」の文化はどんどん海外に提案できるのではないでしょうか。これが真のクールジャパンですね。

=おわり

 

 

 

【プロフィル】粟生万琴(あおう・まこと) 昭和49(1974)年、三重県生まれ。システムエンジニアを経て、平成15(2003)年にパソナテック入社。22年に社内ベンチャー「ソーシャル・ソリューション・カンパニー」を立ち上げ、地域活性化に向けたITの講習会などを開催。地域のエンジニアが集い、ITについて学べる拠点「Lab(ラボ)」を国内4カ所に展開し、雇用創出や女性の起業などに尽力する。24年に執行役員に就任。政府が進めるクールジャパン戦略事業にも携わった。