関西企業、女性技術者に活躍の場 育休制度の拡充など

女性雇用関西企業、女性技術者に活躍の場 育休制度の拡充など

関西企業の間で女性技術者の活躍する機会が増えている。商品開発の現場などで女性の視点が求められるケースが増えているためで、もともと技術職が多い電機などに加え、住宅、機械へと理系出身の女子学生を積極的に採用する動きが広がってきた。子育て中も仕事を続けられるなど女性社員の就業を支援する仕組みを整える企業が増え、関西は技術職に就く女性の比率が高まる傾向にある。

 積水ハウスは来春入社の女性技術者を今春比2倍の約50人に増やす。新卒技術者に占める女性の割合は3割。建築学科の学生が中心で主に住宅の設計に携わる。

 同社は2006年に、持続可能な働き方を目指す「人材サステナビリティ」を宣言、社内に女性活躍推進グループを設置した。結婚、出産を機に退社した女性社員を再雇用する制度も設け、宣言からの7年間で女性技術者の数は倍増し、360人に達した。

住まいづくりの相談に乗る積水ハウスの石井清江課長
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住まいづくりの相談に乗る積水ハウスの石井清江課長

 住宅の設計を手がける石井清江課長は「施工主の奥さんも女性の設計士であれば自分の要望を伝えやすい。案件ごとに新しい発見があり、家づくりの参考になる」と語る。浴室へ備え付けるタオル掛けの数や台所の高さなど、女性独自の視点で使いやすくし、他社の商品と差別化する。

 今年4月から、今まで1日単位でしか取れなかった休暇を時間単位で取れるよう制度変更した。「子どもの授業参観や親の介護など、目的に合わせて細かく取得できる」(伊藤みどり・経営企画部女性活躍推進グループリーダー)のが利点だ。

 NTNで航空機用のベアリング(軸受け)を製造する早川亜希子主任は、イギリスの航空機メーカーと製品設計の交渉役を務めた。「海外との交渉では先方のトップが女性であることが普通。技術の世界に男女の差はない」(早川主任)

 NTNは今春の新卒採用で、女性技術者の人数を2人から7人に増やした。女性技術者は41人と5年前の10倍に達した。来春は6人と微減だが、全体の採用数を絞ったため新卒技術系社員に占める女性の比率は前年よりも2ポイント上昇し、12%となる見通しだ。同社では「優秀な人材がいれば女性技術者をより多く採用したい」という。

 「会社の育休制度が改善しなければ復帰は難しかった」と話すのはクボタの水・環境総合研究所で働く田淵真琴さん。4歳児の母である田淵さんは現在、下水装置に使う機器の設計を担当する。

クボタは09年に生後1年間に限っていた育児休暇の期間を2年に延長した。田淵さんのほか、今では既婚の女性社員の半数が育児休暇を取得し仕事と子育てを両立している。家庭用耕運機など女性の利用が多い農機の開発などに才能を生かす。

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  09年から女性社員の親睦を図るため1年に1回、本社で情報交換会を開いてきた。直近で地域ごとに会合を開くようになり、会の趣旨も情報交換から会社への要望を集約する場へと広がった。会合で出た要望は社長など役員に直接伝える。

 クボタに来春入社する女性技術者は工学部の機械系出身者を中心に9人。育児休暇の期間を延長した09年はわずか3人で、新入社員全体に占める女性技術者の比率は2%から6%にまで上昇する。「技術職の女性社員が1人しか入社しない時期もあり、クボタにとっては大きな飛躍」という。

 女性技術者が増えているのは、育児の補助やスキルアップ、さらには労働環境の改善などで女性の就業を支援する動きが強まっているからだ。オムロンは技術職を含む女性社員の活躍を支援する制度を14年度以降に導入する方向で検討中。具体的な内容は現在詰めているが、女性社員がキャリアや技能を高めるための資格取得の助成や研修などになる見通しだ。