女性幹部登用に数値目標、関西で製造業中心に相次ぐ

女性雇用女性幹部登用に数値目標、関西で製造業中心に相次ぐ

関西企業の間で、女性管理職の拡大に向けて数値目標を設定する動きが広がってきた。女性社員がもともと少ない製造業を中心に活発になっている。女性の活躍を印象づけて優秀な人材を獲得し、成長につなげる狙い。経団連が加盟企業に女性幹部登用の「自主行動計画」を作るよう求めていることも背景にある。

農業機械大手のクボタは、現在1割以下の課長待遇以上の管理職を、2016年度末までに6割増の90人に増やす目標を掲げた。部長級は約3倍の17人を目指す。若手・中堅の女性のやる気を高めるため、目標値を設定した。同社の海外売上高比率は約6割。「グローバル展開を進めるため、女性を含め多様な人材が活躍できる企業風土を作りたい」という。

伊藤ハムは23年に管理職の10%以上を女性に、部長級以上は5%以上を女性にそれぞれ高める方針。いまは約500人いる管理職のうち女性は1%にとどまる。まずは5年後に3%まで増やす。

食品業界は長時間労働が当たり前で男性比率が高い。しかし、商品を購入するのは主に女性で、女性社員に活躍してもらう必要があると判断した。昨春にワークライフバランスなどを検討するプロジェクトチームを発足させ、育児中の女性も働きやすいよう勤務体系を見直した。

大阪ガスは20年度までに女性管理職の比率を現在の2%から5%以上に引き上げる。マンション販売子会社の大阪ガス都市開発(大阪市)には、2年前から女性社員によるチーム「ミズセレクト」が設計などのアイデアを出す仕組みがある。年齢に関係なく女性社員が第一線で活躍できる場を設け、将来の管理職となり得る意欲の高い社員を増やす考えだ。

京都銀行は17年3月までに女性の幹部行員を現在より5ポイント高めて20%にする目標を掲げる。今春から「主任」など資格に合わせた女性向け研修を開始。社内研修施設に育児休業中の女性を集め、職場復帰に向けた相談会も始めた。

女性が働きやすい環境を整え、採用を工夫する企業も出てきた。

積水ハウスは今春、新たな時短制度を導入した。連結で85人にとどまる女性管理職を20年までに200人へ増やす。午前8時~午後8時の間であれば、9時間の就業時間を自由に設定できる。子育て中の女性が午前8時~午後5時まで勤務し、保育園に子供を迎えにいくことも可能だ。

日立造船は16年度に採用予定の大卒社員のうち、事務系で5割、技術系で1割を女性にする目標を掲げている。13年度時点で女性社員の割合は約6%。女性だけを対象にした会社説明会を開いて採用人数を増やす。

こうした取り組みは、政府が「指導的地位に占める女性の割合を20年に30%にする」という目標を掲げたことが影響している。経団連から求められて付け焼き刃的に数値目標を設定したところもありそう。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子女性活躍推進・ダイバーシティマネジメント戦略室室長は「いきなり比率だけ高めるのは難しい。(実効性を伴うには)女性の活躍を促す施策や制度の充実が必要だ」と話す。