女性雇用子連れ出勤はありか?導入企業の事例に学ぶ解決策
子連れ出勤を導入する企業のニュースをよく目にするようになった。しかし、子連れ出勤は業務への影響から課題は多く、賛否両論あるようだ。そこで、子連れ出勤を実施している先進企業に、子連れ出勤で生まれる課題をどのように解決しているのか聞いてみた。
■子連れ出勤の主な課題
子連れ出勤は、待機児童を持つ社員にとって大きな助けになるといわれる。しかし課題は多く、一般的にはそれほど積極的には導入されていないのが現状のようだ。
子連れ出勤には次のような課題があるといわれる。
・子どもの行動が業務の妨げになるのではないか
・子どもの世話は誰が行うのか(親自身・他社員・ベビーシッターなど)
・子どもの世話をする時間は業務外であるため、給与はどうするか
■「子連れ出勤」導入企業の課題解決策~有限会社モーハウス
実際、子連れ出勤を導入している企業では、子連れ出勤の懸念点をどのように解決しているのか。
授乳服を手掛ける有限会社モーハウスは、創業以来、子連れ出勤を続けている会社の一つ。会社の代表者がNPO子連れスタイル推進協会を発足しており、モーハウス社内の子連れ出勤の見学会を定期的に開催して、子連れ出勤の啓蒙活動にも力を入れている。
そこで、業務の妨げになる可能性、給与面などの子連れ出勤の課題に対して、どのような対応をしているのか担当者に聞いてみた。
●原則“1歳2ヶ月まで”。親が管理し、特にルールを設けず
「親が子どものすぐ近くに居て、子どもがグズリそうならすぐに授乳できる状態なので、大泣きすることもなく仕事を中断するのも予防できています。すでに子どもたちが事務所とスタッフに慣れているので、親が電話中などで手が離せないときは、周りからもサポートしやすくなっています。
また、家庭と同じように、コードやホチキスの針などの危ないものは、子どもの手が届かないところに置き、出しっぱなしにしないようにしています。また、子どもには音の出るおもちゃを使わせない、針やミシンのある部屋へは入れないなどのオフィスのルールを設けています。
ただ、以前、3~4歳のやんちゃ盛りの子どもたちが来ていた頃は、勝手に外に出てしまったり、電話口で騒いでしまったりすることがありました。その後、子連れ出勤は原則として授乳で落ち着いてくれる1歳2ヶ月までというルールを作りました」
●自由に「お世話時間」を取り、給与に反映
「子どもの世話をしながら仕事をするのと、そうでないのとでは仕事量にも違いがあるので、自由に『お世話時間』をとってもらい、その分は給与に反映しています」
●普段から密に情報共有
「子どもの病気などで急に休まなければならない場合のことを考え、小さなことでも日頃から共有することを心掛けています。例えば周囲でインフルエンザが流行っているなど。また、休んだときを想定して、仕事の状況を共有するようにしています」
使いやすい授乳服やマタニティブラなどを手掛けている会社だからこそ、子連れ出勤がスムーズに実現しているといえそうだ。1歳2ヶ月までというルール決めは、実体験に基づく対策となっている。
■その他の子連れ出勤導入企業の対策
その他、子連れ出勤を導入している企業の課題解決策も見ておきたい。
●ソウ・エクスペリエンス
ソウ・エクスペリエンス株式会社は2013年より子連れ出勤をスタート。
ベビーシッターは雇わず、親や社員全員による共同管理・共同責任となっているという。オフィスの一角に直径1.5Mのビニールプールを設置し、子どもたちの遊び場やお昼寝の場所をつくっている。また、業務や電話への影響も考え、カーペットが敷いてある専用エリアを用意し、子どもが過ごす場所となっているようだ。(2015年時点の情報)
●ザッパラス
株式会社ザッパラスでは、朝から毎日子連れ出勤をする社員はいないものの、保育園などに子どもを迎えに行った後に、子どもをオフィスに連れて戻ってきて専用の部屋で業務を行うといったスタイルの子連れ出勤が実施されている。
専用の部屋は予約制で、フリーアドレスになっており、子ども用の柵やおもちゃがある。子どもの世話・ルールについては、親が自己責任で管理するが、基本的に社員のモラルに任せている。厳しいルールは特にない。(2016年時点の情報)
いずれの企業も、特に厳しいルールは設けず、基本、親が責任を持って管理しており、実施しながらルールを決めて調整しているようだ。
取材協力
有限会社モーハウス
2017年に20周年を迎える。母乳育児を快適にする授乳服の企画開発、販売を行っているブランド。“授乳服のパイオニア”として、授乳服を通じ、多くの女性が自分らしいライフスタイルを確立するお手伝いをしている。また子育てと社会を結び付けるため“子連れ出勤”を提唱し、NPO子連れスタイル推進協会を設立。

