女性雇用日立、女性・外国人の役員級比率を1割に 人材活用
日立製作所は28日、役員層(取締役を除く)に占める女性と外国人の比率を、2020年度までに現在のそれぞれ2~3%強から10%に高めると発表した。異なる経験や価値観を持つ人材をトップ層に登用し、活力にしていく。グローバル横断の人材登用をしやすくする新たなデータベースのシステムを来年1月に導入することも表明した。
女性・外国人を登用する対象は、社長以下の執行役と理事を合わせた81人とする。例えば女性は現在、2人の理事のみで執行役はゼロ。理事への初登用も15年と最近だ。数値目標を設定することで、管理職よりもハードルが高い役員層に女性を登用しやすくする。
13年に発表した女性管理職を20年度までに1000人にする目標は、2割減の800人に下方修正した。三菱重工業との火力発電システム事業統合などの事業再編で、ポスト数が減ったことが理由という。管理職に占める女性比率(現在4%強)は、新旧の目標ともに7%程度で変化はないとしている。
日立は12年度に世界共通の人事評価システムを導入するなど人材活用でグローバル化への対応に先手を打ってきたが、女性の登用などは思うように進んでいない。
「まだまだ人材の価値を最大限活用できていない」。日立の中畑英信執行役常務は28日、都内で開いた新システムの概要説明会で危機感をあらわにした。
来年1月には全従業員約30万人の情報を網羅するグローバル人材データベースのシステムを刷新し、多様な人材の登用を加速させる。人材情報の検索が容易になるほか、情報の更新もリアルタイムになり、人材を国際的に発掘しやすくなるという。
日本企業の女性や外国人活用は欧米のグローバル企業に比べて遅れている。帝国データバンクが8月に発表した女性登用を巡る企業の調査によると、有効回答企業約1万社のうち、女性の役員がゼロの割合は59%にのぼった。
女性役員比率が30%を超える企業も1割以上あったものの、中小企業や女性が社長の企業が多い。特に大企業は女性の登用が遅れがちなのが現状だ。
日本の労働力不足が深刻化するなか、企業のビジネスの土壌は新興国を中心とする海外に急ピッチで移行している。競争のカギを握るのは人材活用力で、日本企業に共通する大きな課題となりそうだ。
