育児と仕事が両立できる会社選びのポイント

女性雇用育児と仕事が両立できる会社選びのポイント

女性が働きやすい環境整備や管理職への積極的な登用などが盛んに議論されているが、中でも重要な問題のひとつが「育児と仕事の両立」だ。今回は、それを可能にする職場環境がある会社選びのポイントを紹介したい。ただし、ここで紹介するものは、私のこれまでの取材経験を元にしたものであることをあらかじめご了承いただきたい。

1.規模の小さな会社

「中小企業白書」(2014年版)には、従業員数「1~49人」以下の会社が、女性雇用者の比率がほかの大きな規模の会社と比べて最も高い、という調査結果が載っている。一方、大企業になると、女性雇用の比率は下がる。中小企業と大企業の差がここまではっきりと現われるのには様々な理由があるからだが、私が感じていることは、小さな会社は大企業に比べて社内の規則が曖昧な部分が多いということが大きいと思う。

規則が緩やかだからこそ、女性が育児などの事情をいうと、上司が早退を認めてくれやすいといったケースもある(※少人数ゆえ、それが難しいという場合もあるが)。また、遅刻などもある程度、許される場合もあるのではないだろうか。実際、従業員数が30人以下の零細企業で働いている女性たちに聞くと、「職場のルールは曖昧。社長の了解をとれば、遅刻も早退も認めてもらえる」と答えるケースが多い。だが、大企業となると、このようなことはなかなか難しい。従業員数はその会社のホームページの会社概要などに載っていることが多いので、すぐに確認できる。わからなければ、採用面接の場で確認をしてみるのもありだ。

2.理解がある経営者がいる

規模の小さな会社のすべてで、女性の従業員比率が高いのかといえば、そうではない。私が数か月前に取材をした、広告代理店や小売り店は、小さな子供を持つ女性たちが次々と辞めていくという話を聞いた。理由はいくつもあるわけだが、まず、経営者が「女性の雇用」について理解を示していない場合が多い。いい意味で彼女たちの労働条件に柔軟性を持たせるわけでもなく、女性たちを他の男性社員同様に働かせていた。遅刻や早退が繰り返されると「辞めろ!」と言っていたという。これでは、育児との両立をしようとする女性は「もう、働けない」「両立は無理」とあきらめてしまうだろう。経営者が「女性の雇用」そのものに理解があり、きちんとフォローできるタイプでないと、その会社で活躍することは難しい。これも手遅れにならないよう、あらかじめ入社前に確認しておきたいポイントだ。

3.人間関係が良好な職場

組織が柔軟で、就業規則が曖昧であり、経営者に理解があったとしても、職場の人間関係が悪いようでは、長く勤めることはまずできない。ルールが曖昧であることは、育児と仕事を両立させたい女性にとってはいいことかもしれないが、周りの同僚にとってはいいことばかりとはいえないかもしれない。理想的なのは、職場全体でバランスをとれるよう、フォローできる体制と人間関係が構築されていること。すべての人と良好な関係を築くことはできなくても、1人でも多くの人がサポートしようという考え方をもっているかどうか。そういう人が少ない職場では、人間関係づくりからつまづいてしまうため、結果的に、長続きはしないだろう。

4.育児と仕事が両立できている人が多い職場

人間関係を良好なものにしようとする場合、それぞれの社員のバックグランドがある程度、似ていることが必要になる。多くの人は、経験や価値観、境遇などが似ている人とは心を許し、話し合う傾向がある。育児をしていない人が多数を占める職場では、建前で理解をしてくれる人がいたとしても、本当の意味では理解してもらえないのかもしれない。育児をしながら働くのなら、同じ境遇の人が多い会社を選ぶべきだ。思い切って面接の時に聞いてみよう。

5.何を求めるかを明確にする

育児をする女性に限らず、働く上であらゆる希望を満たしてくれる職場はほぼないと思っていいだろう。賃金、労働時間、勤務地、仕事、配置転換、上司、人間関係など、必ずどこかに不満はあるものだ。不満が原因で退職することもひとつの選択かもしれないが、残りたいのなら、時に何かを妥協することも必要だ。ただ、妥協する時は、基準がなければならない。つまり、何を職場に求めるのか、何を仕事に求めるのか、何がないと働けないのか、あるいは、何がなくとも我慢ができるのか。これらが意識の中で明確になっていないと、いい意味で妥協をし、折り合いをつけることはできない。

育児と仕事の両立をすることは、決して簡単なことではなく、時に何かを犠牲にすることもあるだろう。それでも働くことを願う人は増えている。与えられた時間を最大限、有効に使うためにも、自分にとって本当に働きやすい職場を選んでいただきたい。