派遣技術者の派遣料金1~4%上昇 残業抑制で需要増
技術者の派遣料金が上昇している。自動車など大手メーカーやゼネコンといった派遣先で派遣技術者を含めた残業抑制の動きが台頭。減った労働時間を補うため追加の派遣需要が広がっている。ただ派遣技術者も人手不足感が強く、料金水準を押し上げている。
技術者派遣大手がメーカー向けに派遣する料金は1時間あたり3600~3900円が平均的な水準で、前年と比べ1~2%高い。メイテックは平均単価が5000円を上回る水準にある。建築技術者派遣大手の夢真ホールディングス(HD)の平均単価が前年水準を4%上回るなど、建築技術者の派遣料金も上昇が続いている。
技術者派遣大手はスキルの高い技術者を無期雇用している。派遣先は大手自動車メーカーや総合電機メーカー、ゼネコンなど。多くの派遣技術者は派遣先企業が直接雇用する技術者と同じ職場で働いており、残業抑制の影響を受けている。
技術者派遣大手のテクノプロ・ホールディングスは、6月までの1年で社員1人の残業時間が前年比で1日あたり0.1時間減った。同業のメイテックは4~6月の労働時間がリーマン危機後の2009年10~12月以来の低水準。アルプス技研は4~6月の労働時間が前年同期と比べ月2.4時間短くなった。
夢真HDも社員1人の労働時間が16年10月~17年6月に1日9.6時間と、前年同時期と比べ1%短くなった。20年東京五輪・パラリンピック関連工事に向けた派遣が増えるなかでも労働時間は減っている。
12年末からのアベノミクス景気で労働時間は緩やかに増えてきた。残業抑制が本格化した16年以降、前年を下回る例が増えている。企業の研究開発投資を背景に派遣のニーズ自体は旺盛で、技術者派遣大手の社員のうち派遣先で働いている割合は軒並み95%超の「フル稼働」が続いている。
人材確保に向けて技術者派遣各社は採用強化に乗り出している。ただ、派遣先の大手メーカーも「上流工程を経験した派遣技術者を積極的に採用している」(転職サイトを運営するエン・ジャパン)など採用競争は激しくなっている。技術者不足のなかで労働時間の減少が続けば、派遣料金は上昇傾向に拍車がかかりそうだ。