IT人材育成、主婦に照準 人手不足解消&就労後押し

女性雇用IT人材育成、主婦に照準 人手不足解消&就労後押し

平成29年度税制改正に向けた与党の税制調査会の本格議論が21日スタートした。女性の就労を後押しするため「配偶者控除」の対象拡大が焦点となる中、人手不足のIT業界に未経験でも意欲の高い人材を送りこもうと、主婦を対象にしたWEBエンジニアやデザイナーを育成する民間の講座が急増している。派遣会社とIT系専門学校が事業提携するなど「仕事への直結」を重視している。(滝川麻衣子)

女性の就職支援に特化した派遣会社ビースタイル(東京都新宿区)とIT人材養成学校を運営するデジタルハリウッド(東京都千代田区)は17日に「主婦・ママクリエーターズオーディション」を東京都内で開いた。

デジタルハリウッドのコンテンツ制作講座「主婦・ママクラス」の出身者をビースタイルが採用意欲のある企業に紹介。受講者は企業向けに作品を発表し、企業は人材をスカウトできる。同社の講座では、在学中から仕事を受注して経験を積めるのも特徴だ。

IT教育のインフラトップ(東京都渋谷区)も、今年度から主婦ママコースを開講。未経験でも1カ月でウェブ制作ができる。業務委託案件や、女性の採用に積極的な企業への紹介など「受講後も継続してサポートする」(広報担当者)態勢を整える。

インターネットを通じ仕事を受・発注するクラウドワークスは、6月に動画学習サービスのスクー(東京都渋谷区)と事業提携。仕事を紹介しているクラウドワークスの登録者に、デザイナーやライター向けの学習カリキュラムを無償で提供し始めた。登録者がスキルアップして仕事の受注が増えれば、クラウドワークスのシステム利用料増も見込める。

経済産業省の推計によると、IT人材の不足は昨年時点で17万人だったが、42年には最多で79万人に達する。産業界で大型のIT関連投資が続くうえ、ビッグデータやモノのインターネット(IoT)サービスの多様化で需要拡大が見込まれるからだ。

ネットの普及により在宅で仕事を受注できる環境は整いつつあるが、主婦向けの仕事の多くはデータ入力など単価の安い単純作業だ。プログラミングやアプリ開発など高度なIT技術を身に付ければ、受注単価は飛躍的に上がる。

IT分野での主婦人材の育成は、人材不足の解消と雇用創出の両面で大きな可能性を秘めている。税制改正の議論にあわせ、こうした民間の取り組みが女性の就業を後押しするか注目される。