派遣百貨店系派遣3社、スタッフ獲得・定着分野で共通プラットフォーム
阪急ジョブ・エール(大阪市北区)、Kサポート(大阪市阿倍野区)、三越伊勢丹ヒューマンソリューションズ(東京・新宿区)は、派遣業界の最重要課題である「スタッフの獲得と定着」の分野で共通のプラットォームを構築、運用を開始した。スタッフ不足の深刻化を背景に連携の必要性が叫ばれる中、競合関係にある3社の連携モデルは、注目すべきものだ。
「人材派遣の新しいサービスネットワーク『デパ・ジョブ』」と名づけられた共通プラットフォームの柱は ①「スタッフ獲得チャネルの一本化=求人サイトの運営」②「貢献度の高いスタッフの定着を図る"パスポート制度"の導入」。
①の求人サイトは、「百貨店をはじめとする商業施設の仕事」という共通項を持つ3社の求人情報を掲載することで、ターゲット層への効率的なアプローチを狙う。また、スタッフが掲載案件に応募する場合、3社のうち、どの会社の窓口でも登録が可能。応募者の利便を図ると共に、3社合計で見た場合の母集団を増やすことができると見ている。自社窓口で登録したスタッフを他社の案件に派遣する場合は職業紹介のスキームを活用する。
②のパスポート制度は、就労日数など一定の条件を満たすスタッフにパスポートを発行、就業実績によってポイントを付け、ステージアップさせる仕組み。これを時給アップに結び付けることで、3社間での"キャリアの持ち運び"を可能にする。
また、ステージアップしたスタッフは、"休暇の持ち運び"やスキルアップ研修などの優遇措置が受けられる。つまり、貢献度の高いスタッフのキャリアアップ支援とサポートを充実させることで囲い込み、定着を進める狙いだ。さらに、パスポートに就業実績などを明記することで、登録時の面接・スキルチェックの効率化を図れるという利点もある。
「デパ・ジョブ」構築の背景と今後について、阪急ジョブ・エールの松田和也・取締役執行役員はこう話す。
「約2年前からスタッフ不足を懸念し、連携ができないものかと話し合ってきました。同じマーケットで競う企業である分、求めているスタッフの志向、評価の基準などが共有化できることから、『スタッフの獲得やサポートの部分では協力し、スタッフに選んでもらえるような案件獲得の分野では競争しあうようにすべき』という結論に達し、『デパ・ジョブ』運営にいたりました。協力し合うことで"商業施設での派遣という働き方"をよりよいものにしたいという思いが強くあります。
今後については、アライアンスの拡充を図るとともに、求人サイトの機能追加、パスポートのICチップ化など、ユーザビリティーを上げていきたいと思っています。商業施設での仕事に適したスタッフの方に活用していただくことで、派遣先様からの評価にも結び付けていくことができると期待しています」。
アライアンスの拡充については、既に1月時点で同業2社の参画が決まっている。